恐怖政治

(おいみんなきけ)

おいみんな聞け！

(きょうふこそちからだ)

恐怖こそ力だ

(ちからだ)

力だ！

(まような)

迷うな

(おーすとりあのめすぶた)

オーストリアのメスブタ

(めすぶた)

メスブタ！

(みはれ)

見張れ！

(もしもおーすとりあぐんよびよせたらきけんだ)

もしもオーストリア軍呼び寄せたら危険だ

(そうだ)

そうだ！

(かんきんしかんししようだんじてにがすな)

監禁し監視しよう　断じて逃がすな

(てゅいるりーへいってあのおんなをころせ)

テュイルリーへ行ってあの女を殺せ！

(ちょっとまってくれ)

ちょっと待ってくれ！

(おうひをみはるならひとつていあんをしよう)

王妃を見張るならひとつ提案をしよう

(きぞくのていあんなどきくひつようがあるか)

貴族の提案など聞く必要があるか？

(おれたちからさくしゅしてるやつのひとりだぞ)

俺たちから搾取してるヤツの一人だぞ

(おいだせ)

追い出せ！

(いやかれのはなしをきこう おれたちのみかたなんだ)

いや彼の話を聞こう 俺達の味方なんだ

(べるさいゆへのこうしんは かれぬきではできなかった)

ベルサイユへの行進は 彼抜きではできなかった

(きょうだいたちわたしはさいしょからきみたちのみかただ)

兄弟たち　私は最初から君たちの味方だ

(そしておるれあんこうしゃくはもはやかこのもの)

そしてオルレアン公爵はもはや過去のもの

(わたしはいまやみなとおなじいちしみん これからはるいえがりてとよんでほしい)

私は今やみなと同じ一市民 これからはルイ・エガリテと呼んでほしい

(そしてていあんとはしみんるい)

そして提案とは　市民ルイ

(じゃこばんとうにはむろんおんななどむよう)

ジャコバン党には無論女など無用

(だがこいつはつかえる)

だがこいつは使える

(かのじょこそまるぐりっとあるのー)

彼女こそマルグリット・アルノー

(べるさいゆへこうしんをひきいた)

ベルサイユへ行進を率いた

(ちえもどきょうもあるむすめ)

知恵も度胸もある娘

(おくりこむのだおうひのもと かんぺきなすぱいだ)

送り込むのだ王妃のもと 完璧なスパイだ

(すべてまかせて)

すべて任せて

(そして)

そして

(ほうこくするわ)

報告するわ

(ひとのでいりや)

人の出入りや

(もちろん)

もちろん

(かいわ)

会話

(あいて)

相手

(てがみ)

手紙

(そして)

そして

(けいかく)

計画

(どうかなふらんすのしょうらいを おんなのてにゆだねたいか)

どうかな　フランスの将来を 女の手に委ねたいか？

(こいつはおとこななにんぶんのかちがある)

こいつは男七人分の価値がある

(まかせられる)

任せられる

(おんなはかんじょうてきだ おうひにどうじょうするんじゃないか)

女は感情的だ 王妃に同情するんじゃないか？

(まさかどうじょうなどするものか)

まさか同情などするものか

(ただにくみけいべつする)

ただ憎み軽蔑する

(ひれつなおんなのあくじ あばきだしてみせるわ)

卑劣な女の悪事 暴きだして見せるわ

(かのじょはどんなてもつかう こくおうしじせいりょくたてなおし)

彼女はどんな手も使う 国王支持勢力立て直し

(こっきょうにがいこくぐんよぶわ)

国境に外国軍呼ぶわ

(やるかやられるかよ)

やるかやられるかよ

(そのとおりだ)

そのとおりだ

(たしかに)

確かに

(かのじょはしんのじゃこばんはだ)

彼女は真のジャコバン派だ

(まるぐりっとあるのーがおうひのへやがかりとして どうこうをさぐることにさんせいのものは)

マルグリット・アルノーが王妃の部屋係として 動向を探ることに賛成の者は

(さんせい)

賛成！

(かのじょにおーすとりあじんをすぱいさせよう)

彼女にオーストリア人をスパイさせよう！

(きょうふこそちからだきょうふせいじこそが)

恐怖こそ力だ　恐怖政治こそが

(かくめいすすめるしゅだんはまような)

革命進める手段は迷うな

(おーすとりあおんなとがいこくせいりょく)

オーストリア女と外国勢力

(たおせおうひをだんじてにがすな)

倒せ王妃を　断じて逃がすな

(じゆうをてに)

自由を手に！

(そうだ)

そうだ！

(じゆうびょうどうはくあい)

自由！　平等！　博愛！

(じゆうびょうどうはくあい)

自由！　平等！　博愛！

(じゆうびょうどうはくあい)

自由！　平等！　博愛！

(じゆうびょうどうはくあい)

自由！　平等！　博愛！