対人武装

(ちょっとだけきずついてからわたしはこわくなっちゃった)

ちょっとだけ傷ついてから　私は怖くなっちゃった

(だからねひつようなんだみをまもるためのたいじんぶそう)

だからね必要なんだ　身を守るための　対人武装

(なんどかきずつけられてざんねんだけどきづいちゃった)

何度か傷つけられて　残念だけど気付いちゃった

(だれもがもっているんだだれかをきずつけるないふ)

誰もが持っているんだ　誰かを傷つけるナイフ

(そんなんじゃちかよれないねたいじんぶそうしなくっちゃ)

そんなんじゃ近寄れないね　対人武装しなくっちゃ

(いたいのはいやだけどひとりでたつのははずかしい)

痛いのはいやだけど　一人で立つのは「恥ずかしい」

(たてまえのよろいをつくりわらいのたてを)

建前の鎧を　作り笑いの盾を

(しんじないゆうきをつよがりのつるぎを)

信じない勇気を　強がりの剣を

(みんながないふをはなさないならたいじんぶそうでそばにたつ)

みんながナイフを放さないなら　対人武装で傍に立つ

(でもぶあついそうびでこえはきこえなくなった)

でも　分厚い装備で声は　聞こえなくなった

(みんなのそばにたってていがいなことにきづいちゃった)

みんなの傍に立ってて　意外なことに気付いちゃった

(あんがいけいそうなんだそれでもみんなわらってんだ)

案外軽装なんだ　それでもみんな笑ってんだ

(ふるきずをさすりながらもうたのしそうにはなすんだ)

古傷をさすりながら　もう楽しそうに話すんだ

(こうすればきこえるんだよふれればとてもあたたかいよ)

「こうすればきこえるんだよ　触れればとてもあたたかいよ」

(それはうらやましくてとてもねたましくって)

それは羨ましくて とても妬ましくって

(きょうみないふりしてなのになさけなくって)

興味ないふりして　なのに情けなくって・・・

(こえがききたい)

「声が聞きたい」

(ちかづくわたしにきづきあなたはないふをおろしてくれたんだ)

近づく私に気付きあなたは　ナイフを下ろしてくれたんだ

(ああそうかもっているだけじゃきずつかないんだ)

ああ　そうか　持っているだけじゃ　傷つかないんだ

(よけられるんだね)

避けられるんだね。

(きこえたさわれたあたたかい)

聞こえた　触れた　あたたかい

(そうびをぬいだわたしはあなたにむちゅうですがりついた)

装備を脱いだ私は　あなたに夢中ですがりついた

(だけどねきづくとあなたはけがをしていて)

だけどね　気付くとあなたは怪我をしていて

(あんなにおそれていやだったないふが)

あんなに怖れて　嫌だった　ナイフが

(わたしのてにもにぎられていて)

私の手にも握られていて

(わたしもないふをはなせないからかべがきえればきばをむく)

私もナイフを放せないから　壁が消えれば牙をむく

(それでもよけてそしておろすむずかしいけれど)

それでも避けて　そして下ろす　難しいけれど

(あたたかさをあじわってしまったたいじんぶそうはいらないの)

あたたかさを味わってしまった　対人武装はいらないの

(きずつけてきずつけられておそろしいけれど)

傷つけて　傷つけられて　恐ろしいけれど

(きいていたいからあなたのこえを)

聴いていたいから　あなたの声を

(あらたなせんちにたてばやっぱりぶそうしちゃうけど)

新たな戦地に立てば　やっぱり武装しちゃうけど

(きっとまたぬいでみせるよしってしまったのゆうじんおんど)

きっとまた脱いでみせるよ　知ってしまったの　有人温度