ドグラマグラ(テスト)

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投稿者投稿者兄貴いいね0お気に入り登録
プレイ回数318難易度(4.5) 60秒 長文
ドグラマグラ(夢野久作)
テストなので序盤だけです

問題文

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(・・・・・・・・・・・・ぶううんんんんんんん・・・・・・・・・・・・・・・・・・。)

…………ブウウンンンンンンン………………。

(わたしがうすうすとめをさましたとき、こうしたみつばちのうなるようなおとは、)

私がウスウスと眼を覚ました時、こうした蜜蜂の唸るような音は、

(まだ、そのだんりょくのふかいよいんを、わたしのみみのあなのなかにはっきりとひきのこしていた。)

まだ、その弾力の深い余韻を、私の耳の穴の中にハッキリと引き残していた。

(それをじっときいているうちに・・・・・・いまはまよなかだな・・・・・・とちょっかくした。)

それをジッと聞いているうちに……今は真夜中だな……と直覚した。

(そうしてどこかちかくでぼんぼんとけいがなっているんだな・・・・・・とおもいおもい、)

そうしてどこか近くでボンボン時計が鳴っているんだな……と思い思い、

(またもうとうとしているうちに、そのみつばちのうなりのようなよいんは、)

又もウトウトしているうちに、その蜜蜂のうなりのような余韻は、

(いつとなくつぎつぎにきえうすれていって、そこいらちゅうがひっそりと)

いつとなく次々に消え薄れて行って、そこいら中がヒッソリと

(しずまりかえってしまった。わたしはふっとめをひらいた。)

静まり返ってしまった。私はフッと眼を開いた。

(かなりたかい、しろぺんきまみれのてんじょううらから、うすじろいほこりにおおわれた)

かなり高い、白ペンキ塗の天井裏から、薄白い塵埃ほこりに蔽おおわれた

(はだかのでんきゅうがたったひとつぶらさがっている。そのあかきいろくひかるがらすたまがらすだまの)

裸の電球がタッタ一つブラ下がっている。その赤黄色く光る硝子球ガラスだまの

(よこばらに、おおきなはえがいっぴきとまっていて、しんだようにぎょうぜんじっとしている。)

横腹に、大きな蠅が一匹とまっていて、死んだように凝然じっとしている。

(そのましたのかたい、つめたいじんぞうせきのゆかのうえに、)

その真下の固い、冷めたい人造石の床の上に、

(わたしはだいのじがたなりにながくなってねているようである。)

私は大の字型なりに長くなって寝ているようである。

(・・・・・・おかしいな・・・・・・・・・・・・。)

……おかしいな…………。