ドグラマグラ(テスト)
問題文
(・・・・・・・・・・・・ぶううんんんんんんん・・・・・・・・・・・・・・・・・・。)
…………ブウウンンンンンンン………………。
(わたしがうすうすとめをさましたとき、こうしたみつばちのうなるようなおとは、)
私がウスウスと眼を覚ました時、こうした蜜蜂の唸るような音は、
(まだ、そのだんりょくのふかいよいんを、わたしのみみのあなのなかにはっきりとひきのこしていた。)
まだ、その弾力の深い余韻を、私の耳の穴の中にハッキリと引き残していた。
(それをじっときいているうちに・・・・・・いまはまよなかだな・・・・・・とちょっかくした。)
それをジッと聞いているうちに……今は真夜中だな……と直覚した。
(そうしてどこかちかくでぼんぼんとけいがなっているんだな・・・・・・とおもいおもい、)
そうしてどこか近くでボンボン時計が鳴っているんだな……と思い思い、
(またもうとうとしているうちに、そのみつばちのうなりのようなよいんは、)
又もウトウトしているうちに、その蜜蜂のうなりのような余韻は、
(いつとなくつぎつぎにきえうすれていって、そこいらちゅうがひっそりと)
いつとなく次々に消え薄れて行って、そこいら中がヒッソリと
(しずまりかえってしまった。わたしはふっとめをひらいた。)
静まり返ってしまった。私はフッと眼を開いた。
(かなりたかい、しろぺんきまみれのてんじょううらから、うすじろいほこりにおおわれた)
かなり高い、白ペンキ塗の天井裏から、薄白い塵埃ほこりに蔽おおわれた
(はだかのでんきゅうがたったひとつぶらさがっている。そのあかきいろくひかるがらすたまがらすだまの)
裸の電球がタッタ一つブラ下がっている。その赤黄色く光る硝子球ガラスだまの
(よこばらに、おおきなはえがいっぴきとまっていて、しんだようにぎょうぜんじっとしている。)
横腹に、大きな蠅が一匹とまっていて、死んだように凝然じっとしている。
(そのましたのかたい、つめたいじんぞうせきのゆかのうえに、)
その真下の固い、冷めたい人造石の床の上に、
(わたしはだいのじがたなりにながくなってねているようである。)
私は大の字型なりに長くなって寝ているようである。
(・・・・・・おかしいな・・・・・・・・・・・・。)
……おかしいな…………。