恋泥棒。／『ユイカ』

(３２１でぬすまれた)

3・2・1で盗まれた

(わたしのこいごころ)

私の恋心

(かってにぬすんだあなたは、)

勝手に盗んだ貴方は、

(こいどろぼうだ。)

恋泥棒だ。

(あなたをさがして３びょう)

貴方を探して3秒

(ききなれたわらいごえにふりむいて)

聞き慣れた笑い声に振り向いて

(あなたをみつけて２びょう)

貴方を見つけて2秒

(だれにもみえないくちもとがにやけて)

誰にも見えない口元がにやけて

(あなたとめがあう１びょう)

貴方と目が合う1秒

(そのしゅんかんに)

その瞬間に

(やられた)

やられた

(もうぬけだせないや。)

もう抜け出せないや。

(こいのはじまりのあいず)

恋の始まりの合図

(このむねのたかなりはもう、)

この胸の高鳴りはもう、

(とめられないよ)

止められないよ

(３２１でぬすまれた)

3・2・1で盗まれた

(わたしのこいごころ)

私の恋心

(かってにぬすんだんだから、)

勝手に盗んだんだから、

(すてずにあなたがもっててね。)

捨てずに貴方が持っててね。

(３２１でつかまえる)

3・2・1で捕まえる

(せっとうようぎのあなたを)

窃盗容疑の貴方を

(わたしとあなたの、)

私と貴方の、

(こいのかけひき。)

恋のかけ引き。

(わたしとあなたの、)

私と貴方の、

(こいのはじまり。)

恋の始まり。

(どうせあなたはきっと)

どうせ貴方はきっと

(わたしのきもちにはきづいてるんでしょ？)

私の気持ちには気づいてるんでしょ？

(それなのにあなたはずっと)

それなのに貴方はずっと

(しらないふりしてわたしとはなすんだ。)

知らないふりして私と話すんだ。

(もういっそあなたにちゃんと)

もういっそ貴方にちゃんと

(つたえてみようかな。)

伝えてみようかな。

(なんてできるわけないのにね。)

なんて　できるわけないのにね。

(とおくにいてもわかる)

遠くにいてもわかる

(あなたのあるきかたさえ、)

貴方の歩き方さえ、

(いとおしくて)

愛おしくて

(３２１でぬすんでよ)

3・2・1で盗んでよ

(わたしのぜんぶを)

私の全部を

(あわいきたいだけのこしていかないで。)

淡い期待だけ残して行かないで。

(３２１でつかまえるの)

3・2・1で捕まえるの

(そこからうごいちゃだめだよ。)

そこから動いちゃだめだよ。

(わたしとあなたの、)

私と貴方の、

(こいをつづかせてよ。)

恋を続かせてよ。

(２にんきりのほうかご)

2人きりの放課後

(うるさくなるしんぞうが)

うるさくなる心臓が

(わたしのことばをつまらせて)

私の言葉を詰まらせて

(なにもいえなくて)

何も言えなくて

(おおきくいきをすって)

大きく息を吸って

(「あのね、わたし、あなたのことが・・・」)

「あのね、私、貴方のことが…」

(ってそのときあなたがくちをあいた。)

ってそのとき貴方が口を開いた。

(「ちょっとまって、ぼくからいわせて。」)

「ちょっと待って、僕から言わせて。」

(３２１でぬすまれた)

3・2・1で盗まれた

(わたしのこいごころ)

私の恋心

(がってにぬすんだんだから、)

勝手に盗んだんだから、

(そのままずっとはなさないで。)

そのままずっと離さないで。

(３２１でむすばれたんだ)

3・2・1で結ばれたんだ

(このままえいえんに)

このまま永遠に

(おわらない)

終わらない

(おわれない)

終われない

(そんなこいにしよう。)

そんな恋にしよう。

(わたしとあなたの、)

私と貴方の、

(こいものがたり。)

恋物語。