原始社会では

(げんししゃかいでは、かぞくとぶぞくはわかいひとびとがうけるきょういくやぶんかのただひとつのでんたつしゃで)

原始社会では、家族と部族は若い人々が受ける教育や文化のただ一つの伝達者で

(あった。ところが、げんごやもじがはったつし、すうしきがあるだんかいまではったつをとげると、)

あった。ところが、言語や文字が発達し、数式がある段階まで発達をとげると、

(あるしゅのけいしきてきなきょういくへのようきゅうがうまれ、)

ある種の形式的な教育への要求が生まれ、

(かぞくやぶぞくによるきょういくをほそくするためにがっこうができた。)

家族や部族による教育を補足するために学校ができた。

(しゃかいがげんだいのようにふくざつになっても、)

社会が現代のように複雑になっても、

(がっこうはそのほそくというせいかくをうしなうことはない。)

学校はその補足という性格を失うことはない。

(というのも、がっこうのやくわりがどれほどひろがろうとも、)

というのも、学校の役割がどれほど広がろうとも、

(かぞくがさいしょのきょういくしゃであり、)

家族が最初の教育者であり、

(しょうがいにわたるえいきょうりょくをもつものだということは、)

生涯にわたる影響力を持つものだということは、

(いぜんとしてじじつなのである。)

依然として事実なのである。

(しかしげんだいのせいかつにおいて、)

しかし現代の生活において、

(かぞくのきのうはげんしょうするけいこうにある。)

家族の機能は減少する傾向にある。

(あるものはがっこうに、)

あるものは学校に、

(さらにおおくのものはほかのきかんにきゅうしゅうされてきている。)

さらに多くのものは他の機関に吸収されてきている。

(げんだいしゃかいのきけんなちょうこうのひとつは、)

現代社会の危険な兆候の一つは、

(さまざまなはたらきをかぞくからうばいとって、)

さまざまな働きを家族から奪い取って、

(かぞくのしぜんなやくわりがなくなっていきてることだ。)

家族の自然な役割がなくなって生きてることだ。

(このきけんは、こちょうされていることもあるが、)

この危険は、誇張されていることもあるが、

(たしかにむしできない。)

確かに無視できない。

(かていは、せいちょうしていくこどもにとってしぜんなあいじょうのいずみであり、)

家庭は、成長していく子供にとって自然な愛情の泉であり、