今宵、月が見えずとも

(こよい、つきはどこをてらすの？)

今宵、月はどこを照らすの?

(あついくもにおおわれたそら)

厚い雲に覆われた空

(こよい、きみはだれにだかれているのか)

今宵、君は誰に抱かれているのか

(あめにひとり)

雨に一人

(なこうか)

泣こうか

(すべてをわかりあえるとおもい)

すべてを分かりあえると思い

(きたいなどしたじぶんをはじれば)

期待などした自分を恥じれば

(だざいをてにおくじょうにあがり)

太宰を手に屋上に上がり

(このよなどはとうれいてみせる)

この世などはと憂いてみせる

(そらにつばをはいたらじぶんにかかった)

空にツバを吐いたら自分にかかった

(たびびときどりでいたいくせに)

旅人気取りでいたいくせに

(まよいみちまわりみちがきらいで)

迷い道回り道が嫌いで

(あまかぜしのげるやねのしたで)

雨風凌げる屋根の下で

(ぐーぐるけんさくでせかいをみる)

グーグル検索で世界を見る

(きみにとどかず)

君に届かず

(あいのことば)

愛の言葉

(こよい、つきはどこをてらすの？)

今宵、月はどこを照らすの?

(あついくもにおおわれたそら)

厚い雲に覆われた空

(こよい、きみはだれにだかれているのか)

今宵、君は誰に抱かれているのか

(あめにひとり)

雨に一人

(なこうか)

泣こうか

(こびりついたきょせいとみえとが)

こびりついた虚勢と見栄とが

(れんあいごとにまでかおのぞかせ)

恋愛事にまで顔覗かせ

(はなれゆくてをつかむことさえ)

離れゆく手を掴むことさえ

(ひどくむずかしいことにさせた)

ひどく難しいことにさせた

(あえなくなるとはしってたのに)

会えなくなるとは知ってたのに

(こよい、つきがみえないならば)

今宵、月が見えないならば

(くものきれまひたすらまとう)

雲の切れ間ひたすら待とう

(こよい、きみがみあげたそらには)

今宵、君が見上げた空には

(つきがみえているのだろうか)

月が見えているのだろうか

(めざすならこうやがいい)

目指すなら荒野がいい

(むくなひかりがみたい)

無垢な光が見たい

(いやにもなるさ)

いやにもなるさ

(じぶんじしん)

自分自身

(そのしょうたい)

その正体

(くだらないとうそぶいてきて)

くだらないと嘯いてきて

(なにもかもをしったかおして)

何もかもを知った顔して

(なにもできないじぶんかくして)

何もできない自分隠して

(ほんとうをなくした)

本当を失した

(みえないものをみようとすれば)

見えないものを見ようとすれば

(まぶたとじるそれだけでいい)

まぶた閉じるそれだけでいい

(きみがここにいないとしても)

君がここにいないとしても

(こよい、つきがみえずとも)

今宵、月が見えずとも