RingRing

(けいたいでんわなんざさんじゅうろくどごぶのうえ)

携帯電話なんざ　三十六度五分の上

(はつめいがこぼしたうちゅうのごみのひとつさ)

発明が零した　宇宙のゴミの一つさ

(きづいたらじしんはにかいてんをとっぱして)

気付いたら時針は二回転を突破して

(ゆめとしんぐにからだをやつした)

夢と寝具に身体をやつした

(しょうねんしょうじょたちはげんじつからめをそらして)

少年少女達は現実から眼を逸らして

(じゅうでんぶそくになってでんげんをほっしている)

充電不足に成って電源を欲している

(ゆびさきがひっついてはなれないりんごから)

指先が引付いて離れないリンゴから

(あおいとりがはばくまちにしずんだ)

蒼い鳥が羽撃く街に沈んだ

(だれもがどうしようもないしようがない)

誰もが如何しようもない仕様がない

(ながいいいわけばなしばっかでつまらないな)

長い云い訳話ばっかでつまらないな

(ああもうおさえられないよそうがいのもんだい)

嗚呼もう抑えられない予想外の問題

(いびつにつながったでんぱはふあんてい)

歪に繋がった電波は不安定

(このゆびでこのからだできみのてをにぎって)

此の指で此の身体で君の手を握って

(おどりあかしたいのになぜ)

踊り明かしたいのに何故？

(じゅわきにひそんだざつおんにはばまれている)

受話器に潜んだ雑音に阻まれている

(それならばこんなものなんて)

其れならばこんな物なんて

(いますぐほうりだしてきみのもとへいく)

今直ぐ放り出して　君のもとへ行く

(わずらわしくてそしていとおしい)

煩わしくてそして愛おしい

(がめんにはうつらないうつくしさがあるから)

画面には映らない美しさが有るから

(けいたいでんわなんざさんじゅうろくどごぶのうえ)

携帯電話なんざ　三十六度五分の上

(どうとくせいをかいたちせつなおもちゃのひとつさ)

道徳性を欠いた稚拙な玩具の一つさ

(あやつるようでいたってあやつられているような)

操る様で居たって操られている様な

(じぶんのようでいてでんぱのような)

自分の様で居て電波の様な

(しょうねんしょうじょたちははくちゅうむにのみこまれて)

少年少女達は白昼夢に飲み込まれて

(はんだんふのうをもってじがをほうちしている)

判断不能を以て自我を放置している

(せいかつにひもづいてほどけないりんごから)

生活に紐付いて解けないリンゴから

(あかいろうがとけるよるにしずんだ)

赤い蝋が溶ける夜に沈んだ

(だってもうたいしょほうがないいたしかたない)

だってもう対処法がない致し方ない

(いやしいたてまえばなしばっかでわからないな)

卑しい建前話ばっかで分からないな

(ああどうしようしょうらいこのさきのみらい)

嗚呼如何しよう将来　この先の未来

(いびつにつながったぼくらはふかんぜん)

歪に繋がった僕等は不完全

(このゆびでこのからだできみのめをみつめ)

此の指で此の身体で君の眼を視つめ

(かたりあかしたいのになぜ)

語り明かしたいのに何故？

(まどろっこしくてそしてつごうのいい)

まどろっこしくてそして都合の良い

(こんなものさえなければ)

こんな物さえ無ければ・・

(このゆびでこのからだでばんごうをにゅうりょくして)

此の指で此の身体で番号を入力して

(きみにぼくのでんぱがとどくように)

君に僕の電波が届くように

(つたえられぬおもいもとどくならいいのに)

伝えられぬ想いも届くなら好いのに

(このゆびでこのからだできみのてをにぎって)

此の指で此の身体で君の手を握って

(おどりあかしたいのになぜ)

踊り明かしたいのに何故？

(じゅわきにひそんだざつおんにはばまれている)

受話器に潜んだ雑音に阻まれている

(それならばこんなものなんて)

其れならばこんな物なんて

(いますぐほうりだしてきみのもとへいく)

今直ぐ放り出して　君のもとへ行く

(わずらわしくてそしていとおしい)

煩わしくてそして愛おしい

(がめんにはうつらないうつくしさがあるから)

画面には映らない美しさが有るから