恋時雨　いれいす

(ゆうぐれいろにてらされてとおくにきこえる)

夕暮れ色に照らされて　遠くに聞こえる

(ひとなみにはぐれないようにてをにぎった)

人波にはぐれないように　手を握った

(すこしなれないあしもとにすずのねゆらして)

少し慣れない足元に　鈴の音　揺らして

(かすみのはなのかんざしにせのびをした)

霞の花の簪に　背伸びをした

(ことしでさいごだねひとつつぶやく)

「今年で最後だね」一つつぶやく

(よわむしなぼくのきみへのこいうた)

弱虫な僕の　君への恋詩

(なつのよるにさくはなびらはきえていく)

夏の夜に咲く花びらは消えていく

(みあげるよこがおあかくてらした)

見上げる横顔　紅く照らした

(ぼくのこころもようふりやまぬこいしぐれ)

僕の心模様　降りやまぬ恋時雨

(きみをこのさきもすきでいいかな)

君をこの先も好きでいいかな

(はくぼめいめいにゆらいだ)

薄暮冥々に揺らいだ

(さゆうのげんえいをふせいだ)

左右の幻影を塞いだ

(あいにいくとてをつないで)

逢いに行くと手を繋いで

(あいにくてんもないてる)

生憎　天も泣いてる

(こいしたうとうげんきょう)

恋い慕う桃源郷

(さいたらほうれい)

咲いたら豊麗

(ちってもいっきょうで)

散っても一興で

(おとなになるってなんだふりほどけないまま)

大人になるってなんだ　振りほどけないまま

(じんじゃのけいだいにこしおろして)

神社の境内に　腰降ろして

(はなやかしいけいかんをせに)

華やかしい景観を背に

(はなひらくおもいでくすんだえい)

花開く想いで霞んだ影

(たった２もじがほしかっただけ)

たった2文字が欲しかっただけ

(なつのよるにさく)

夏の夜に咲く

(はなびらはこいごころ)

花びらは恋心

(つたえたいことば)

伝えたい言葉

(きっとひとつで)

きっと一つで

(きみのこころもよう)

君の心模様

(なつぞらにくもがくれ)

夏空に雲隠れ

(らいねんもそのさきもすきでいいかな)

来年もその先も好きでいいかな

(すきだよきみにつたえたくて、)

「好きだよ」　君に伝えたくて、

(さよならちがうそうじゃないよ)

「さよなら」　違うそうじゃないよ

(とおく)

遠く

(はなれて)

離れて

(かなたきえても)

彼方消えても

(あのひ)

あの日

(あのときのおもいはずっと)

あの時の想いはずっと

(もうかわらないから)

もう　変わらないから

(なつのよるにさくはなびらはきえていく)

夏の夜に咲く花びらは消えていく

(みあげるよこがおあかくてらした)

見上げる横顔　紅く照らした

(ぼくのこころもようふりやまぬこいしぐれ)

僕の心模様　降りやまぬ恋時雨

(きみをこのさきもすきでいいかな)

「君をこの先も好きでいいかな」