ガマズミ

(つめたいてがいきばをなくしてはじめてのはるがくる)

冷たい手が行き場を無くして　初めての春がくる

(ひとつうえのかいのあしおとにおこされてけむりをうかべた)

１つ上の階の足音に起こされて　煙を浮かべた

(しめつけるせいかつのあととみらいでおぼえてるみつのあじ)

締め付ける生活の跡と　味蕾で覚えてる蜜の味

(きみがうばわれてぼくがぜんぶうばいとった)

君が奪われて　僕が全部奪いとった

(やさしいひとじぶんのとげもあいせたらよごれたてでふれていいかい)

優しい人　自分の棘も愛せたら　汚れた手で触れていいかい

(ことばはいたいほんねはきたないきれいごとじゃないきれいでいたい)

言葉は痛い 本音は汚い　綺麗事じゃない 綺麗でいたい

(やさしいひときみはぼくをあいしていたそのとなりでぼくはぼくだけのことをかんがえてた)

優しい人　君は僕を愛していた　その隣で僕は僕だけの事を考えてた

(きみのゆめのざんがいのうえにたちさいごのさりぎわさえうばわれたきみのせいにした)

君の夢の残骸の上に立ち　最後の去り際さえ　奪われた君のせいにした

(つめたいてはもうふろうになれにどめのはるをまつ)

冷たい手はもう浮浪に慣れ　二度目の春を待つ

(したうちのあとかべをけってうぜえとひとりでこえにだした)

舌打ちの後 壁を蹴ってうぜえと　ひとりで声に出した

(くびすじのどくせんのはあとみらいにのこせなかったかたち)

首筋の独占の歯跡　未来に残せなかった形

(ひたすらにやさしさだけであいせないのはふあんだから)

ひたすらに優しさだけで　愛せないのは不安だから

(やさしいひとてばなしめをかくしながらあるいたはくせんのきょり)

優しい人　手放し目を隠しながら　歩いた白線の距離

(ことばをききたいほんねをしりたいほんとうはきみをしりたくもない)

言葉を聞きたい　本音を知りたい　本当は君を知りたくも無い

(やさしいひときみはぼくをしんじていたそのとなりでぼくはぼくのほはばをかぞえていた)

優しい人　君は僕を信じていた　その隣で僕は僕の歩幅を数えていた

(きみのゆめのざんがいのうえにたちさいごのさりぎわさえうばわれたきみのせいにした)

君の夢の残骸の上に立ち　最後の去り際さえ　奪われた君のせいにした

(しみついたせいかつのにおいかこにみたみらいといまのくらし)

染み付いた生活の匂い　過去に見た未来と今の暮らし

(あのひとかわれないどうきにあせっていくあせっている)

あの日と変われない動悸に焦っていく　焦っている

(あたたかくやわらかいばしょでふたつめのしんぞうのおとをきく)

暖かく柔らかい場所で　二つ目の心臓の音を聴く

(きみのめにうつるひかりをみてみたいよみていたいよ)

君の目に写る光を見てみたいよ　見ていたいよ

(やさしいひとじぶんのとげもあいせたらよごれたてでふれていいかい)

優しい人　自分の棘も愛せたら　汚れた手で触れていいかい

(ことばはいたいほんねはきたないきれいごとじゃないきれいでいたい)

言葉は痛い 本音は汚い　綺麗事じゃない 綺麗でいたい

(やさしいひときみはぼくをあいしていたそのとなりでぼくはぼくだけのことをかんがえてた)

優しい人　君は僕を愛していた　その隣で僕は僕だけの事を考えてた

(きみのゆめのざんがいのうえにたちさいごのさりぎわさえうばわれたきみのせいにした)

君の夢の残骸の上に立ち　最後の去り際さえ　奪われた君のせいにした

(つまさきだちのぞくふぇんすこえてじめんにおとをたてた)

つま先立ち覗くフェンス越えて　地面に音を立てた