ヨダカ

(できないことがふえるたびに)

出来ない事が増えるたびに

(ぼくはじんせいのかちをはかった)

僕は人生の価値を計った

(なりたいじぶんがきえるたびに)

為りたい自分が消える度に

(ぼくはせいかいのみちをみうしなっていく)

僕は正解の道を見失っていく

(ならのこされたさきがくらやみだっていい)

なら残された先が暗闇だっていい

(もうここでくたばるよりはいい)

もうここでくたばるよりはいい

(そうだろ)

そうだろ

(ああいまさらきたいなんかしちゃいない)

嗚呼　今更期待なんかしちゃいない

(わけがない)

わけがない

(かなたのそらをかけるとりのせが)

彼方の空を駆ける鳥の背が

(なによりもじゆうにみえた)

何よりも自由に見えた

(あまたのちりのひとつでしかない)

数多の塵の一つでしかない

(それでもたしかにこのよにうまれた)

それでも確かにこの世に生まれた

(しらないなにかをえるために)

知らない何かを得るために

(あしもとのはなをふみにじっていた)

足元の花を踏みにじっていた

(みえないきずがいえるごとに)

見えない傷が癒える毎に

(つきがぐんじょうがかこがとおのいていく)

月が、群青が、過去が、遠退いていく

(さよならだけがじんせいでも)

さよならだけが人生でも

(ねえであえたことにいみはあるでしょ)

ねえ出会えたことに意味はあるでしょ

(かえられないあのころより)

変えられないあの頃より

(まだみないみらいを)

まだ見ない未来を

(なんどもけしてかいたことば)

何度も消して書いた言葉

(なあうれないものにかちはないのか)

なあ売れない物に価値はないのか？

(だれのにせものだって)

誰の偽物だって

(ぼくもゆめのひとつくらいみたい)

僕も夢の一つくらいみたい

(たえまのないおとをことばを)

絶え間のない音を言葉を

(さあいきているあかしをきざめ)

さあ生きている証を刻め

(かげひなたないねがいやゆめやきぼうが)

陰日向ない願いや夢や希望が

(そうかなうわけじゃないけれども)

そう叶うわけじゃないけれども

(かいてはうばう)

欠いては奪う

(みにくいものだらけだ)

醜いものだらけだ

(ああ)

嗚呼

(ねえこのままどこかとおくにいけたなら)

ねえ　このままどこか遠くに行けたなら

(せめてうつくしくちろう)

せめて美しく散ろう

(かなたのそらにもゆるほしのひが)

彼方の空にもゆる星の火が

(なによりもまぶしくみえた)

何よりも眩しく見えた

(あなたとであうことがなかったなら)

貴方と出逢うことがなかったなら

(せかいをかたるかごのなかいきていた)

世界を騙る籠の中生きていた

(ひとすじさしたひかりをおいかけて)

一筋差した光を追いかけて