最終到達者 / スペクタクルP

(せかいをうめつくしたがらくたを　かまずにすべてのみこんだ)

世界を埋め尽くしたガラクタを　噛まずに全て飲みこんだ

(つたえたいことば　ぼくのおもいも)

伝えたい言葉 ぼくの想いも

(いえずにすべてのみこんだ)

言えずに全て飲みこんだ

(なつくさにかすむゆめのあとも)

夏草に霞む夢の跡も

(のこさずにすべてのみこんだ)

残さずに総て飲みこんだ

(やくめをはたしおわったぼくと)

役目を果たし終わった僕と

(きえさったきみはどっちがしあわせなんだろ？)

消え去った君はどっちが幸せなんだろ？

(さいこうでさいぜんのさいしゅうかいにたどりついた)

最高で最善の最終回に辿りついた

(がんじょうでけんろうなこのはこにすむぼくは)

頑丈で堅牢なこの箱に棲む僕は

(のこりわずかなきおくをかきよせて)

残り僅かな記憶を掻き寄せて

(いつかむかえるうえにずっとおびえてるんだ)

いつか迎える飢えにずっと怯えてるんだ

(たからばこのなかのがらくたを)

宝箱の中のガラクタを

(ひっしであつめてのみこんだ)

必死で集めて飲み込んだ

(ちちははのしゃしん　とものたより)

父母の写真 友の便り

(やさしいざんがいをのみこんだ)

優しい残骸を飲みこんだ

(ぴりおどのさきにあるくうきょが)

ピリオドの先にある空虚が

(ぼくのうちがわをとかしておかしてむしばんでいく　ああ！)

僕の内側を融かして犯して蝕んでいく　嗚呼！

(すてられずにいたさいしょのゆめが)

捨てられずにいた最初の夢が

(きみのいきのねをとめたんだ)

君の息の根をとめたんだ

(はきすてるほどのむすうのぼくが)

吐き捨てるほどの無数の僕が

(ぼくのいきざまをきめたんだ)

僕の行き様をきめたんだ

(しらないせかいもあたらしいぼくも)

知らない世界も新しい僕も

(ぜんぶぜんぶきえたんだ)

全部全部消えたんだ

(このはこのなかでそしゃくをわすれて)

この箱の中で咀嚼を忘れて

(ぼくをうめつくしたきみのあと　かみしめてぜんぶのみこんだ)

僕を埋め尽くした君の跡　噛み締めて全部飲みこんだ

(さいてきでさいあくのさいしゅうかいにたどりついた)

最適で最悪の最終回に辿り着いた

(たいくつでへんくつなこのはこにすむぼくは)

退屈で偏屈なこの箱に棲む僕は

(えがかれることのないきおくをかきよせて)

描かれる事の無い記憶を掻き寄せて

(ぎょうかんのすきまのじぶんをずっとさがしてる)

行間の隙間の自分をずっと探してる

(さいこうでさいぜんのさいしゅうかいにたどりついた)

最高で最善の最終回に辿り着いた

(しゅうまつもさいかいもかなわないはこにわは)

終末も再開も叶わない箱庭は

(あたらしいはじまりのめをくいつぶしながら)

新しい始まりの芽を食い潰しながら

(とっくにむかえたうえにずっとおびえてるんだ)

とっくに迎えた飢えにずっと怯えてるんだ

(せかいをうめつくしたがらくたを　かまずにすべてのみこんだ)

世界を埋め尽くしたガラクタを　噛まずに総て飲みこんだ