そのスピードで

(どろだらけのくつけっとばしたしめったへやのなか)

泥だらけの靴蹴っとばした 湿った部屋の中

(ちいさなものがたりをなくしたよるまほうにかけられた)

小さな物語を失くした夜 魔法にかけられた

(ひとつのそんざいひとりのてんしわたしにてをふっていた)

一つの存在、一人の天使 私に手を振っていた

(こごえたからだをあたためてくれるあまいちょこれーと)

凍えた体を暖めてくれる甘いチョコレート

(いそいでらんぷをふきけそうかぎりあるこのせかいにみをゆだねて)

急いでランプを吹き消そう 限りあるこの世界に身を委ねて

(かがみのなかにわたしがいる)

鏡の中に私がいる

(かなしみのつばさをころがるひかりはつきのほうへ)

悲しみの翼を転がる光は月の方へ

(このむねをうつしてほしくずのようにちりばめてこわして)

この胸を映して星屑のように散りばめて壊して

(そのすぴーどで)

そのスピードで

(することもなくてよるもひるもあくびしたりないたりして)

することもなくて夜も昼もあくびしたり泣いたりして

(それはもういくじなしでさむがりのあくまがむねにすんでる)

それはもういくじなしで寒がりの悪魔が胸に住んでる

(もしこのまほうがとけるのならあさにかいだんをいちだんでものぼって)

もしこの魔法が解けるのなら朝に階段を一段でも昇って

(てをのばしかぜをかんじあまつぶをかんじかがみをたたきわるのに)

手を伸ばし風を感じ雨粒を感じ鏡を叩き割るのに

(こころのにぶらぬうちにそうかなしいこえをこのこえをなげつけ)

心の鈍らぬうちにそう悲しい声をこの声を投げつけ

(すすむひたすらにいきをして)

進むひたすらに息をして

(ひかりのすぴーどできまぐれにほしをめざして)

光のスピードで気まぐれに星を目指して

(あおじろいなみだをつきなみのことばでかざってうかべて)

青白い涙を月並みの言葉で飾って浮かべて

(そのすぴーどで)

そのスピードで

(ゆめのようにきまぐれにほしをめざして)

夢のように気まぐれに星を目指して

(あおじろいなみだをつきなみのことばでかざってうかべて)

青白い涙を月並みの言葉で飾って浮かべて

(そのすぴーどで)

そのスピードで

(そのすぴーどで)

そのスピードで