予め失われた僕らのバラッド

(「ねえ、あのはいいろのくにのいちばんどんよりとしたあたり、みえる？」)

「ねえ、あの灰色の国のいちばんどんよりとした辺り、見える?」

(「ぜろのひょうじょうのこでしょ」)

「ゼロの表情のコでしょ」

(「そ、あれって・・・さびしさ？」)

「そ、あれって・・・さびしさ?」

(「あきらめかも」)

「あきらめかも」

(「こどくじゃない？」)

「孤独じゃない?」

(「どうちょうあつりょく？」)

「同調圧力?」

(「あっ、にじのこびんおとしちゃった」)

「あっ、虹の小瓶 落としちゃった」

(「わっ、なかみぜんぶちらばってるよ」)

「わっ、中身ぜんぶ散らばってるよ」

(「そのさいごの」ひとしずく)

「その最後の」 ひとしずくーー

(きこえないおとがこぼれた)

聞こえない 音がこぼれた

(あえかなひかりをまとっていた（ｃａｎｙｏｕｈｅａｒｍｅ？）)

あえかな光を 纏っていた (can you hear me?)

(よるべないみみの（ｔｈｉｓｉｓｏｎｅｄｒｏｐｏｆｗｉｓｈ）)

寄るべない耳の (this is one drop of wish)

(しじまのふかく（ｙｏｕ’ｄｃａｒｒｙｏｕｔ・・・）)

静寂の深く (you'd carry out・・・)

(たましいのそこへとひびく（ｙｏｕ’ｄｃａｒｒｙｏｕｔ・・・）)

魂の底へと響く (you'd carry out・・・)

(ぜつぼうのなかでいきていたときづかなかった)

絶望の中で 生きていたと 気づかなかった

(ゆっくりすえてくふはいしゅうにならされていた)

ゆっくり饐えてく 腐敗臭に 馴らされていた

(にんげんごっこをしてるまもののひとみのなか)

人間ごっこを してる魔物の 瞳の中

(ぼくのにせものみたいなぼくがうつった)

僕のニセモノみたいな 僕が映った

(うまくわらえないなけないけどなぜかわかる)

上手く笑えない泣けない けどナゼか わかる

(やさしいなみだのありかあらしのむこう)

やさしい涙の在処 嵐の向こうーー

(あらかじめうしなわれたぼくら)

予め失われた 僕ら

(えたいしれないいたみさえもけつりゅうにかえ)

得体知れない 痛みさえも 血流に変え

(うまれつきとらわれたせかいで)

生まれつき囚われた 世界で

(よわさにまみれながらひとになりながら)

弱さにまみれながらヒトになりながら

(ひのさすばしょへひたはしろう)

陽の差す場所へ ひた走ろう

(ぜつぼうのあしゅ”きぼう”へとへんいしていた)

絶望の亜種 "希望"へと 変異していた

(そのさいぼうのいとわしさにしたうちをした)

その細胞の 厭わしさに 舌打ちをした

(すてられなくてうめてかくしたおもいかけらの)

捨てられなくて 埋めて隠した重いカケラの

(ざらついたさびはもうけずれなくても)

ざらついた錆はもう 削れなくても

(ちゃんとわらいたいなきたいねがいにぎりしめ)

ちゃんと笑いたい泣きたい 願い 握りしめ

(きょうとじつづきのあしたにおびえないで)

今日と地続きの明日に おびえないでーー

(あらかじめうしなわれたあいを)

予め失われた 愛を

(みつけてさえそれがあいととくていできず)

見つけてさえ それが愛と 特定できず

(きずつけてさしかえされたてを)

傷つけて差し返された手を

(よごしてやっとしったひとであるいみを)

汚してやっと知ったヒトである意味を

(ひのさすばしょへなおぶざまにひきずってはしろう)

陽の差す場所へなお 無様に引きずって走ろう

(”そのいのちつかわないんでしょかえして”とまとわりつく)

"その命 使わないんでしょ 返して"と まとわりつく

(かたはねのようせいのまぼろしかきけした)

片羽の 妖精の マボロシ かき消した

(びょおびょおとなくそらにぼくはひとりちかった)

ビョオビョオと 鳴く空に 僕は独り 誓った

(たましいがつきるひもこのてをとおくへ)

魂が尽きる日も この手を遠くへ

(のばすよみはてぬときのさきへ)

伸ばすよ 見果てぬ 時の先へーー

(あらかじめうしなわれたぼくら)

予め失われた 僕ら

(えたいしれないいたみさえもけつりゅうにかえ)

得体知れない 痛みさえも 血流に変え

(うまれつきとらわれたせかいで)

生まれつき囚われた 世界で

(よわさにまみれながらひとになりながら)

弱さにまみれながらヒトになりながら

(ひのさすばしょでみるながるちはあかだろうかおそれずにただひたはしろう)

陽の差す場所で見る 流る血は赤だろうか 恐れずにただ ひた走ろう