キャロル

(よろこびをうたううたがまちをかけぬけて)

喜びを唄う歌が街を駆け抜けて

(わたしはそれをくちずさんでる)

私はそれを口ずさんでる

(だってそれはあなたがすきなうただから)

だってそれは、あなたが好きな歌だから

(ぜんぶおぼえたんだよ)

全部覚えたんだよ

(でもねきっとあなたはあのひとと)

でもね、きっとあなたはあの人と

(こんなにもわざとらしくひかっていわうまちの)

こんなにもわざとらしく光って、祝う街の

(いちばめんにすてきにおさまっていくのね)

一場面に、素敵に収まっていくのね

(えになるふたりはまるでえのように)

絵になる二人は、まるで絵のように

(いつのまにかこいにあなたがはなれてく)

いつの間にか、恋にあなたが離れてく

(わたしはそれをだまってみてる)

私はそれを黙って見てる

(だってそれがあなたのすきなひとならば)

だってそれがあなたの好きな人ならば

(きっときらいになってしまうから)

きっと嫌いになってしまうから

(あのこのてをひきあるくすがたをみつめては)

あの子の手を引き歩く姿を見つめては

(うまくできたはずのつくりわらいが)

上手く出来たはずの作り笑いが

(いたんでいくやめてよいまさらもどれない)

痛んでいく　やめてよ、今更戻れない

(そのことふたりでわらわないでよ)

その子と二人で笑わないでよ

(ともだちでいれたらかおをあわせてわらえるなかなら)

友達でいれたら、顔を合わせて笑える仲なら

(なにもないよりはましなのかな)

何もないよりはマシなのかな

(おしころしたことばもなんどもあふれるなみだも)

押し殺した言葉も、何度も溢れる涙も

(わたしがすきになったわたしがもっておくね)

私が、好きになった私が持っておくね

(そんなあなたのやさしさがかいまみえたずるさが)

そんなあなたの優しさが、垣間見えた狡さが

(わたしをおもってとなりにおいてくれる)

私を想って、隣に置いてくれる

(どうせならさあきらめられるようにつきはなして)

どうせならさ、諦められるように突き放して

(なんておもってるじぶんがきらいで)

なんて思ってる自分が嫌いで

(いつかことばにおんどがもどったならわたしがおとなになれたなら)

いつか言葉に温度が戻ったなら、私が大人になれたなら

(こんなわがままはもう)

こんな我侭はもう

(ふがいないせいやにきゃろるはひびく)

不甲斐ない聖夜にキャロルは響く