オモカゲ

(ひとつふたつあかりともって)

ひとつ　ふたつ　あかり灯って

(おかえりだれかのこえがひびく)

「おかえり」　だれかの声が響く

(ぼくはひとりいえじをたどる)

僕はひとり　家路をたどる

(きみのいないまちで)

君のいない街で

(とどかないそらにてをのばしてみても)

届かない空に　手を伸ばしてみても

(きせつはめぐりぼくをおいこしていく)

季節はめぐり　僕を追い越していく

(かぜよおもいでまでつれてかないで)

風よ　思い出まで連れてかないで

(あのひのままでときをとめて)

あの日のままで　時を止めて

(きみをわすれたいけどわすれたくない)

君を忘れたいけど　忘れたくない

(おおげさにわらうこえくしゃくしゃななきがおも)

おおげさに笑う声　くしゃくしゃな泣き顔も

(せめてからっぽのうでのなか)

せめて　からっぽの腕の中

(だきしめさせて)

抱きしめさせて

(まちのざわめきぬけだすように)

街のざわめき　抜け出すように

(まよいこんだちいさなろじ)

迷い込んだ小さな路地

(くだらないじょーくかわしたやくそく)

くだらないジョーク　交わした約束

(いまさらよみがえる)

今さら蘇る

(ありふれたけしききおくのかけらに)

ありふれた景色　記憶のカケラに

(よびとめられてここからうごきだせない)

呼び止められて　ここから動き出せない

(かぜよこのこころをはこんでおくれ)

風よ　この心を運んでおくれ

(かなしみのないあすがあるなら)

悲しみのない　明日があるなら

(きみをわすれたいけどわすれたくない)

君を忘れたいけど　忘れたくない

(あまいかみのにおいもてのひらのぬくもりも)

甘い髪のにおいも　手のひらのぬくもりも

(うしなったすべてを)

失ったすべてを

(なつかしくあいせるひまで)

懐かしく　愛せる日まで

(はじまりとおわりはせなかあわせ)

はじまりと終わりは背中合わせ

(ふみださなきゃわかっているのに)

踏みださなきゃ　分かっているのに

(きみとすごしたひびのおもかげが)

君と過ごした日々の面影が

(いつまでもきえないから)

いつまでも　消えないから

(かぜよおもいでまでつれてかないで)

風よ　思い出まで連れてかないで

(あのひのままときをとめて)

あの日のまま　時を止めて

(きみをわすれたいけどわすれたくない)

君を忘れたいけど　忘れたくない

(おおげさにわらうこえくしゃくしゃななきがおも)

おおげさに笑う声　くしゃくしゃな泣き顔も

(せめてからっぽのうでのなか)

せめて　からっぽの腕の中

(だきしめさせて)

抱きしめさせて