シザーナイフ／浦島坂田船

(あなたのことをもとめてあなたのことをおもうほどに)

貴方のことを求めて 貴方のことを想う程に

(めをうたがうふつごうがみみざわりがとびこんだ)

目を疑う不都合が 耳障りが飛び込んだ

(わかちあえたよろこびとつむぎあえたかなしみと)

分かち合えた喜びと 紡ぎ会えた悲しみと

(むすびつづけたまいにちをさいていなかおできりさいた)

結び続けた毎日を 最低な顔で切り裂いた

(しったいのしょうそうは)

失態の焦燥は

(たいがいのこうていか)

大概の肯定か

(あいじょうのけつらくに)

愛情の欠落に

(そういはない)

相違はない

(なんかいもなんかいもあなたにいいたい)

何回も 何回も 貴方に言いたい

(ことばがあったのに)

言葉があったのに

(ぎざぎざのきりくちは)

ギザギザの切り口は

(あいゆえみていられないあなたのかお)

愛故 見ていられない貴方の顔

(しんぞうがはりさけそうにないている)

心臓が張り裂けそうに泣いている

(ねえねえねえきづいて)

ねえ ねえ ねえ気づいて

(ばらばらにくだいたねがいみたいに)

バラバラに砕いた願いみたいに

(そのすべてをこわしてしまいそうな)

その全てを壊してしまいそうな

(そのてのはさみで)

その手のハサミで

(ぼくをきざんでよ)

ボクを刻んでよ

(きりそろえたまえがみはちょうど)

切りそろえた前髪は ちょうど

(あなたいがいめにいれないように)

貴方以外目に入れないように

(つぎはぎだらけのふたりの)

継ぎ接ぎだらけの ふたりの

(やくそくでしょ)

約束でしょ

(なのにどうしてどうして)

なのにどうして？ どうして？

(なにもつたわらないような)

何も伝わらないような

(ずれたあいのきしむおとでないている)

ズレた愛の軋む音で泣いている

(そうていしたへんとうは)

想定した返答は

(こうあんのだんねんと)

考案の断念と

(あいじょうのけつらくに)

愛情の欠落に

(そういはない)

相違はない

(さいていなさいていなあなたのすきな)

最低な 最低な 貴方の好きな

(ぼくになったのに)

ボクになったのに

(ふたつをつないだいとは)

ふたつを繋いだ糸は

(あかくそまれないいんじ)

赤く染まれない印字

(きりとりのせん)

キリトリの線

(おびえるようにぼくをのろっていく)

怯えるようにボクを呪っていく

(そうきりすてていく)

そう 切り捨てていく

(がたがたのおりめをねがった)

ガタガタの折り目を願った

(てちがいでゆびをけがしてしまうように)

手違いで指を怪我してしまうように

(そのきずでぼくを)

その傷でボクを

(おぼえていますように)

覚えていますように

(あなたのじしょではもう)

貴方の辞書ではもう

(けんさくけっかのないあした)

検索結果のない明日

(だれかがあなたを)

誰かが貴方を

(ひとりうらみのろおうとも)

一人恨み 呪おうとも

(あいそうともかまわない)

愛そうとも構わない

(かまわない)

構わない？

(ぎざぎざのきりくちは)

ギザギザの切り口は

(あいゆえみていられないあなたのかお)

愛故 見ていられない貴方の顔

(しんぞうがはりさけそうにないている)

心臓が張り裂けそうに泣いている

(ねえねえねえきづいて)

ねえ ねえ ねえ気づいて

(ばらばらにくだいたねがいみたいに)

バラバラに砕いた願いみたいに

(すべてをこわしてしまいそうな)

全てを壊してしまいそうな

(そのてのはさみで)

その手のハサミで

(ぼくをきざんでよ)

ボクを刻んでよ

(こわしてやぶいて)

壊して 破いて

(あなたとゆめみたみらいまで)

貴方と夢見た未来まで

(きざんで)

刻んで