桜色タイムカプセル

(はいけいわたしへ)

"拝啓　私へ

(にじゅうごさいのきみに、きょうがどうみえるかな？)

25歳の君に、今日がどう見えるかな？"

(「あのね・・・」)

「あのね・・・」

(ふりそそぐさくらあめのなか)

降り注ぐ桜雨の中

(ゆびおったかずはそつぎょうへのひび)

指折った数は　卒業への日々

(さんねんあるいたこのみちが)

三年歩いたこの道が

(すこしずつだけどみじかくなるようでこがれた)

少しずつだけど　短くなるようで　焦がれた

(いみなんてもとめずすごしたまいにち)

意味なんて求めず過ごした毎日

(こころのこりもむねにだいて)

心残りも胸に抱いて

(なんびゃっかいもめをつぶったぼくのたいせつなおもい)

何百回も目を瞑った　ボクの大切な想い

(ありえないってらしくないって)

ありえないって　らしくないって

(なんどもいいきかせた)

何度も言い聞かせた

(もどかしさにりゆうをつけてすがるだけのおくびょうもの)

もどかしさに理由を付けて　縋るだけの臆病者

(まずいみえをはってまたうそをついた)

拙い見栄を張って　また嘘をついた

(どこかのだれかがいいだした)

どこかの誰かが言いだした

(ありふれた「たいむかぷせるさくせん」)

ありふれた　『タイムカプセル作戦』

(あのひとはなにをのこすかなきがつくと)

あの人は何を残すかな　気がつくと

(いつもむねのおくのおくまだおく)

いつも 胸の奥の奥　まだ奥

(すれちがうだけでうれしくてはかない)

すれ違うだけで嬉しくて儚い

(こころのこりもいえなくて)

心残りも言えなくて

(なんぜんかいもひていしてたぼくのかくしてるきもち)

何千回も否定してた　ボクの隠してる気持ち

(きのせいだってつかれてるって)

気のせいだって　疲れてるって

(こいにこいしていた)

恋に恋していた

(やるせなさにりゆうをかさねすがるだけじゃすすめない)

やるせなさに理由を重ね　縋るだけじゃ進めない

(さいごをかざるはなはあなたへのおもいで)

最後を飾る華は　アナタへの想いで

(きづいてきがついたほんとうの)

気づいて気がついた　本当の

(つげずにこうかいをするくらいならいおうきみへ)

告げずに後悔をするくらいなら言おう　君へ

(さくせんとうじつたよりをふたつにぎり)

作戦当日　便りを二つ握り

(さいごのあのみちで)

最後のあの道で

(きおくのすとろぼまばたきこころづく)

記憶のストロボ瞬き　心付く

(だいそれたこくはくなんかじゃなくて)

大それた告白なんかじゃなくて

(なんじゅうかいもかきなおしたぼくのたいせつなおもい)

何十回も書き直したボクの大切な想い

(もうやめようってでもかこうって)

もうやめようって　でも書こうって

(なんどもいいきかせた)

何度も言い聞かせた

(さくらいろのびんせんふたつみらいのぼくにたくして)

桜色の便箋二つ　本気（みらい）のボクに託して

(ほんじつはなのちあめまたうそをつきわらった)

本日　桜（はな）のち雨　また嘘をつき笑った

(「じゅうねんごのきみにはそういえますように・・・」)

「10年後のキミにはそう言えますように・・・」