FROG MAN【すとぷり】

(ぺとりこーるとからすくつをならす)

ペトリコールとカラス　靴を鳴らす

(かたにかげおとすまちをすかす)

肩に影落とす　街を透かす

(かさをさしひらいてうらにいろをぼかす)

傘を差し開いて裏に色を暈す

(いきがあめにとけていく)

息が雨に溶けていく

(そこらかしこじゃだうなーがてをたたく)

そこらかしこじゃダウナーが手を叩く

(やけにこえをだすやじをとばす)

自棄に声を出す野次を飛ばす

(ずぶのたくらのけのうたでみみをさます)

ずぶのたくらのけの歌で耳を冷ます

(はねあがれはねあがれとんでそらまで)

跳ね上がれ跳ね上がれ　トンで空まで

(なじりあってくさってどうでもよくなって)

詰りあって腐って如何でも好くなって

(ひっきりなしにとなえるごめんねって)

引っ切り無しに唱える「ごめんね」って

(またつっけんどんにしちへんげして)

また突っ慳貪に七変化して

(むーどにまぎれこむ)

ムードに紛れ込む

(きざむうぃんかーでうえるつぎをさがす)

刻むウィンカーで飢える　次を探す

(わなにてをのばすきみをさそう)

罠に手を伸ばす　君を誘う

(ひどくまちがってしまえばしまうほど)

酷く間違ってしまえばしまうほど

(かわくのさかわくのさ)

乾くのさ　渇くのさ

(きみがぼくをのぞんでる)

君が僕を望んでる

(ほんとうのあさましさをしってる)

本当の浅ましさを知ってる

(そこぬけのおろかさのうらで)

底抜けの愚かさの裏で

(ぬれてめいていかんでしたのうえにのって)

濡れて　酩酊間で舌の上に乗って

(ふえいせいにだきあって)

不衛生に抱き合って

(ふたしかをしろうとしてああ)

不確かを知ろうとして　嗚呼

(いっしょうがいとけたりしないのろいを)

一生涯融けたりしない呪いを

(ていねいにとなえあって)

丁寧に唱えあって

(ひからびるまでただ)

干からびるまで　ただ

(めぐりあってしまったきょうじてしまった)

巡り合ってしまった　興じてしまった

(ひっぱりあってくるしむすりっぷろーど)

引っ張りあって苦しむ　スリップロード

(ちゃちなこうふくかんでとりっぷして)

ちゃちな幸福感でトリップして

(めいろにまよいこむ)

迷路に迷い込む

(ねばりついたくせにのどをならす)

粘り付いた癖に　喉を鳴らす

(ちゅうにめをはわすきみをさがす)

宙に目を這わす　君を探す

(よるをつぎはいでうたによくをばかす)

夜を継ぎ接いで歌に欲を化かす

(わめくだけわめくだけ)

喚くだけ　叫めくだけ

(きみはぼくにのぞんでる)

君は僕に望んでる

(さいていななきごえであまえてる)

最低な鳴き声で甘えてる

(ずぶぬれのうそをかくしたままで)

ずぶ濡れの嘘を隠したままで

(ゆれていっしんふらんにしたのうえでおどって)

揺れて　一心不乱に舌の上で踊って

(しとしとすくいあって)

シトシト掬いあって

(てとてをつかんでいてああ)

手と手を掴んでいて　嗚呼

(いっそうねつをだしてうずくのろいを)

一層熱を出して疼く呪いを

(ていねいになすりあっていまはまだまだ)

丁寧に擦りあって　今はまだ　まだ

(かりそめうわさどおりに)

仮初め噂通りに

(まちなみによりそえば)

街並みに寄り添えば

(めいめつのねおんのうすあかりに)

明滅のネオンの薄明りに

(よごれきったさががうかぶ)

汚れ切った性が浮かぶ

(これがほんとうのこえかどうか)

これが本当の声かどうか

(いまじゃもうわからない)

今じゃもう解らない

(ひたかくしにしていたぼくをまたかくすのさかくすのさ)

ひた隠しにしていた僕をまた隠すのさ　隠すのさ

(きみはぜんぶをしってる)

君は全部を知ってる

(もうとっくにこたえをみつけてる)

もう疾っくに答えを見つけてる

(ちんもくとなみだのうらで)

沈黙と涙の裏で

(やめてどうせならやさしさもころして)

やめて　どうせなら優しさもころして

(ぼくをみつけないで)

僕をみつけないで

(きれいにしないでいてああ)

綺麗にしないでいて　嗚呼

(いっしょうがいとけたりしないのろいが)

一生涯融けたりしない呪いが

(とけてしまったってぼくはまだまだ)

解けてしまったって　僕はまだ　まだ

(ぬれてめいていかんでしたのうえにのって)

濡れて　酩酊間で舌の上に乗って

(ふえいせいにだきあって)

不衛生に抱き合って

(ふたしかをしろうとしてああ)

不確かを知ろうとして　嗚呼

(いっしょうがいとけたりしないのろいを)

一生涯融けたりしない呪いを

(ていねいにとなえあってひからびるまでただ)

丁寧に唱えあって　干からびるまで　ただ