ワスレガタキ

(そうこれこんないたみがすじがきのないものがたりには)

そうこれ、こんな痛みが筋書きのない物語には、

(ひつようふかけつなんだよるのうみにはつきがいすわる)

必要不可欠なんだ。夜の海には月が居座る。

(すぎたくのうをびかするひまがあるならいまだけうつせよ)

過ぎた苦悩を美化する暇があるなら今だけ映せよ

(おろかものでもしょうじきでいたい)

愚か者でも、正直でいたい

(はーとがさわぐよ)

ハートが騒ぐよ！

(たとえだれかをきずつけたとしてもゆずれないひかりがあるんだ)

たとえ誰かを傷つけたとしても、譲れない光があるんだ。

(むしかえすつもりはべつにないけれど)

蒸し返すつもりは別にないけれど

(このせかいでこのせかいで)

この世界で、この世界で...!

(わすれがたきになるにはまだはやいゆめみがちなしにぞこないさ)

ワスレガタキになるにはまだ早い。夢見がちな死に損ないさ。

(ぜろからはいあがれそらがわれたって)

ゼロから這い上がれ、空が割れたって！

(あのせかいへあのせかいへ)

あの世界へ、あの世界へ...!!

(なんじゅっかい)

何十回、

(なんびゃっかい)

何百回、

(なんぜんかい)

何千回、

(のみこんで)

飲み込んで、

(なんじゅうねん)

何十年、

(なんびゃくねん)

何百年、

(なんぜんねん)

何千年、

(さきみだれ)

咲き乱れ。