サウンドノベル

(９５ねんのろくがつそとはあめ)

'95年の6月　外は雨

(むしあついひかれらは)

蒸し暑い日彼らは

(こてーじへとくるまをはしらせる)

コテージへと車を走らせる

(かーすてれおからながれてくる)

カーステレオから流れてくる

(ようがくぷれいりすと)

洋楽プレイリスト

(こすてろのなきごえも)

コステロの鳴き声も

(さわぐかれらにはとどかないまま)

騒ぐ彼らには届かないまま

(くるまをとめてにもつをおろして)

車を止めて　荷物を降ろして

(どあをゆっくりあける)

ドアをゆっくり開ける

(へやをながめてきおくをたどって)

部屋を眺めて　記憶を辿って

(ひといきついたらはじめよう)

ひと息ついたら始めよう

(そっともちあげるかんびーる)

そっと持ち上げる缶ビール

(とりとめないはなしで)

とりとめない話で

(かこもみらいもぜんぶ)

過去も未来も全部

(わすれてしまいたい)

忘れてしまいたい

(びしょぬれのうっどでっき)

びしょ濡れのウッドデッキ

(ふわりとよかぜがふいて)

ふわりと夜風が吹いて

(とまったとけいのはりがいまうごきだす)

止まった時計の針が今動き出す

(ずっとまってたの)

ずっと待ってたの

(つげられたことばに)

告げられた言葉に

(てれくさくってへんじも)

照れくさくって返事も

(できぬままにしたをむいた)

出来ぬままに下を向いた

(おねがいわらって)

お願い笑って

(しらないふりして)

知らないフリして

(ふたりだけのひみつよ？)

二人だけの秘密よ？

(かおをあげたらもう)

顔を上げたらもう

(かのじょはいなくって)

彼女はいなくって

(よるがむじょうにふける)

夜が無情に更ける

(それはまるでめりーごーらんど)

それはまるでメリーゴーランド

(あたまのなかぐるぐるとまわる)

頭の中ぐるぐると回る

(えがおのせいでねむれない)

笑顔のせいで眠れない

(いえなかったこうかいと)

言えなかった後悔と

(じゅんじょうのしんどろーむ)

純情のシンドローム

(このままじゃだめなんだ)

このままじゃダメなんだ

(だめなんだおわらせなきゃ)

ダメなんだ終わらせなきゃ

(あめのおとだけがひびく)

雨の音だけが響く

(まよなかのごぜん２じ)

真夜中の午前2時

(おきあがって)

起き上がって

(かのじょへとつながるなわをたどり)

彼女へと繋がる縄を辿り

(あいにいくから)

会いに行くから

(へんじをしにいくから)

返事をしに行くから

(まっていて)

待っていて

(９４ねんのあのひもそとはあめ)

'94年のあの日も外は雨