夢追人

(かわらないまちなみのなかで)

変わらない街並みの中で

(かわらないぼくらはさがすよ)

替わらないぼくらは探すよ

(ときおりいきとまりつつも)

時折生き止まりつつも

(さがしたびるのかべのめいろのなかで)

探した　ビルの壁の迷路の中で

(おびえるどしゃぶりなひとみ)

怯える土砂降りな瞳

(きみのてがぼくにかさをさしのばした)

君の手が僕に傘を差し伸ばした

(くだらないことだけみつめて)

くだらないことだけ見つめて

(よくばりなぼくらのことだからあいひとつ)

欲張りなぼくらのことだから　愛一つ

(それさえあれば、ほら)

それさえあれば、ほら

(うららされたもんだよああ)

麗されたもんだよ　嗚呼

(おまえのうるんだりほほえむ)

お前の潤んだり微笑む

(すべてがいつくしませた)

全てが慈しませた

(あかねいろしたそらときみのほお)

茜色した空と君の頬

(ひとみのおくまでてらすよ)

瞳の奥まで照らすよ

(わけもないからくりのなかで)

訳もないからくりの中で

(もとめあうふたしかないきものよ)

求め合う　不確かな生き物よ

(ゆいめがほころびかけたら)

結い目が綻びかけたら

(つなぐのはいつでもきみがさきだったね)

繋ぐのはいつでも君が先だったね

(めをかばうゆびとゆびのあいだ)

目を庇う指と指の間

(のぞいたのさかざりけのないきみを)

覗いたのさ　飾り気のない君を

(くだらないことだけみつめていて)

くだらないことだけ見つめていて

(わがままなぼくらのことだから)

我儘なぼくらのことだから

(あいひとつそれさえあれば、ほら)

愛一つ　それさえあれば、ほら

(くるわされたもんだよああ)

狂わされたもんだよ　嗚呼

(おまえのうるんだりほほえむ)

お前の潤んだり微笑む

(すべてがいつくしませた)

全てが慈しませた

(はなれぎわにひびきわたるこえ)

離れ際に響き渡る声

(きおくのすみからすみまでめぐるわ)

記憶の隅から隅まで　巡るわ

(うららされたもんだよまだみぬ)

麗されたもんだよ　まだ見ぬ

(さきへいそぎすぎたのいつのひかまた)

先へ急ぎすぎたの　いつの日かまた

(あかねいろしたそらときみのほおが)

茜色した空と君の頬が

(きおくのすみまでてらすよ)

記憶の隅まで照らすよ

(かわらない)

替わらない