緋色の鳥 全文

(あかしけやなげひいろのとりよ)

あかしけやなげ緋色の鳥よ

(くさはみねはみけをのばせ)

くさはみねはみけをのばせ

(なのとひかさすひいろのとりよ)

なのとひかさす緋色の鳥よ

(とかきやまかきなをほふれ)

とかきやまかきなをほふれ

(こうたるなとるひいろのとりよ)

こうたるなとる緋色の鳥よ

(ひくいよみくいせきとおれ)

ひくいよみくいせきとおれ

(こうこうたるこうこうこうやにはみし)

煌々たる紅々荒野に食みし

(みつかいのめにやみしやみしたるやみしけるをなんとなる)

御遣いの目に病みし闇視たる矢見しけるを何となる

(こうかくはこうかしこうかをもくだきたるしょぎょうこそなんたるや)

口角は降下し功過をも砕きたる所業こそ何たるや

(そはことのはにあらずそはきかいなり)

其は言之葉に非ず其は奇怪也

(かしこみかしこみうやまいたてまつり)

カシコミカシコミ敬い奉り

(おきしょうおだやかなるをねがいけれ)

御気性穏やかなるを願いけれ

(こうせいたるせいがんたるがんしょうたるしょうきたるきやくたるやくどくたるどくちくたるちくしょうたる)

紅星たる星眼たる眼瘴たる瘴気たる気薬たる薬毒たる毒畜たる畜生たる

(いきがみたる)

生神たる

(われらがおぬしのみつかいや)

我らが御主の御遣いや

(いまこそきたらんわがのうしょうのたみへ)

今こそ来たらん我が脳漿の民へ

(いまこそきたらんわがよのとこやみへ)

今こそ来たらん我が世の常闇へ

(いまこそきたらんわがおりのかくしゃくへ)

今こそ来たらん我が檻の赫灼ヘ

(ひいろのとりよいまこそたちぬ)

緋色の鳥よ今こそ発ちぬ