オメルタ

(くちたるはいじょうにすみついたきゅうけつきのしんそ)

朽ちたる廃城に住み着いた吸血鬼の真祖

(１３のなとふろうふしをもつおうごんのかみのしょうじょ)

13の名と不老不死を持つ黄金の髪の少女

(そとはあぶないですからまちへおりてはいけません)

「外は危ないですから街へ降りてはいけません」

(めいどのいいつけをやぶりぬけだしたばつがくだったとでもいうのか)

メイドの言いつけを破り抜け出した罰が下ったとでも言うのか

(いまわしきへりおすのめにやかれ)

忌まわしきヘリオスの眼に焼かれ

(はいになるいまわかげがおとされた)

灰になる今際　影が堕とされた

(あぁむくなかんばせそのやさしさが)

あぁ　無垢な顔　その優しさが

(うらめしくてでもあらがえぬほんのう)

恨めしくて　でも抗えぬ本能

(ねぇかたをかして)

「ねぇ肩を貸して」

(ままくびすじにきばをたてる)

儘　首筋に牙を立てる

(もうもどれない)

もう戻れない

(ヴぁにたすのおりをぬけた)

ヴァニタスの檻を抜けた

(さいなむかつぼうののろいに)

苛む渇望の呪いに

(かけたつきをみたすようにくちづけを)

欠けた月を満たすように口付けを

(ごめんねきみはもうしねないの)

ごめんね　君はもう死ねないの

(みにくくてくるしいせかいで)

醜くて苦しい世界で

(よるのやみでだけいきができるのよ)

夜の闇でだけ息が出来るのよ

(しょうじきだけがとりえだった)

「正直」だけが取り柄だった

(すなおでいいやつだといわれた)

素直で良い奴だと言われた

(だまされうばわれすべてがどうでもよくなって)

騙され奪われ全てがどうでも良くなって

(いっそわるものになってみたかった)

いっそ悪者になってみたかった

(ひがおちればそこはのすふぇらとぅのにわ)

日が墜ちれば其処はノスフェラトゥの庭

(しのびよるこうもりのささやきさいみんじゅつのわなにかけて)

忍び寄る蝙蝠の囁き　催眠術の罠にかけて

(さそってさらったおかのはいじょうに)

誘って　攫った　丘の廃城に

(わがあるじのかてとなれあかでさかずきをみたせ)

「我が主の糧となれ　赤で盃を満たせ」

(どうせまたころせないでしょ)

「どうせまた殺せないでしょ」

(あなたはわらう)

貴方は笑う

(やはりなんのさいのうもなかった)

やはり何の才能も無かった

(せいおんどみらいかてい)

生　温度　未来　家庭

(いのちなんてうばえるはずない)

命なんて奪えるはずない

(ひとをやめても)

人を辞めても

(なにもなしえなかった)

何も成しえなかった

(きみはそれでいい)

「君はそれでいい」

(それはうつくしいなにもみえないがそこに)

それは美しい　何も見えないが其処に

(にんぎょうじゃないかいぶつじゃない)

人形じゃない　怪物じゃない

(しんじつにつながるかぎ)

真実に繋がる鍵

(かなわなくてもとどかなくても)

叶わなくても　届かなくても

(わかりあえずいてもいい)

分かり合えずいてもいい

(えいえんのせいうんめいのいみ)

永遠の生　運命の意味

(さがそうか)

探そうか