ガラスの糸 / 傘村トータ

(きらきらかがやくものは)

きらきら 輝くものは

(こわれるときがいちばんきれいだなんて)

壊れるときが一番綺麗だなんて

(そんなのしらないほうが)

そんなの 知らないほうが

(しあわせになれたかな)

幸せになれたかな

(あまいこえでささやいて)

甘い声で囁いて

(よわいぼくまどわさないで)

弱い僕 惑わさないで

(にげみちをすこしずつかくされていく)

逃げ道を少しずつ隠されていく

(だれでもいいからあいして)

誰でもいいから愛して

(だれでもいいからあいさせて)

誰でもいいから愛させて

(ああこんなぼくでうまくいくわけないよ)

嗚呼 こんな僕で うまくいくわけないよ

(もがくたびがらすがつきささった)

もがくたびガラスが突き刺さった

(いたいけどこわくてぬけなかった)

痛いけど怖くて抜けなかった

(くだけたはへんがぼくのなかでたしかにひかった)

砕けた破片が 僕の中で確かに光った

(すべてをとりのぞいてしまえばきっと)

全てを取り除いてしまえばきっと

(しあわせなみらいとひきかえに)

幸せな未来と引き換えに

(なにかがなくなってしまいそうで)

何かがなくなってしまいそうで

(こわいなんてわらえないな)

怖い なんて笑えないな

(きらきらかがやくものは)

きらきら 輝くものは

(うそぶくときがいちばんすむんだなんて)

嘯くときが一番澄むんだなんて

(そんなのしらないままで)

そんなの 知らないままで

(だまされていたかった)

騙されていたかった

(あまいわなでとらえて)

甘い罠で捕らえて

(よわいちからでしばって)

弱い力で縛って

(にげようとすればでられるでしょう)

「逃げようとすれば出られるでしょう？」

(わかってるぜんぶぼくが)

わかってる 全部僕が

(じぶんでえらんでるって)

自分で選んでるって

(ああこんなぼくもしあわせになりたかった)

嗚呼 こんな僕も 幸せになりたかった

(ああこんなぼくをどうかあいしてください)

嗚呼 こんな僕を どうか愛してください

(もがくたびがらすがつきささった)

もがくたびガラスが突き刺さった

(いたいけどこわくてぬけなかった)

痛いけど怖くて抜けなかった

(くだけたはへんがぼくのなかでたしかにひかった)

砕けた破片が 僕の中で確かに光った

(すべてをなくさなくちゃ)

全てを無くさなくちゃ

(だってきっと)

だってきっと

(ここにしあわせはおちてないって)

此処に幸せは落ちてないって

(きづいてた)

気づいてた

(ぼくらのあかいいとは)

僕らの赤い糸は

(あのひにくだけてたんだ)

あの日に砕けてたんだ