ブレス・ユア・ブレス/和田たけあき

(つぎはぎだらけのからだみたいなこのうたを)

ツギハギだらけの身体みたいなこの歌を

(「つくりものだ」「にせものだ」とみみをふさぐひと)

「作り物だ」「偽物だ」と耳を塞ぐ人

(ねぇなんで？)

ねぇなんで？

(これはきっとぼくじしんのうただった)

コレはきっと僕自身の歌だった

(せいめいをもたないきみにのせた)

生命を持たない君に乗せた

(ぼくらいまおそるおそるこえをかける)

僕ら今恐る恐る声をかける

(はろー、はろー、はろー)

ハロー、ハロー、ハロー

(せかいはまだゆめのなかさ)

世界はまだ夢の中さ

(はろー、はろー　うたえ！)

ハロー、ハロー　歌え！

(ことばはいまかぜになって)

言葉は今風になって

(せかいにちらばってる)

世界に散らばってる

(どうせもうげんこのせかいなんてちょうのみるゆめで)

どうせ妄言この世界なんて蝶の見る夢で

(だけどそのはばたきですべてがぬりかわってく)

だけどその羽ばたきで全てが塗り替わってく

(たくしたことばたちがきみのいのちになった)

託した言葉たちが君の命になった

(せいめいがたしかにそこにあった)

生命が確かにそこにあった

(きみはいまうぶごえをあげはじめた)

君は今産声を上げ始めた

(はろー、はろー、はろー)

ハロー、ハロー、ハロー

(せかいがついにめをさました)

世界がついに目を覚ました

(はろー、はろー　だけど)

ハロー、ハロー　だけど

(ことばはぜんぶきみになって)

言葉は全部君になって

(ぼくのものじゃなくなった)

僕のものじゃなくなった

(ぼくらのゆめねがいそしてのろいがきみのかたちだった)

僕らの夢願いそして呪いが君の形だった

(みるひとしだいですがたはちがっていた)

見る人次第で姿は違っていた

(いまやもうだれのめにもおなじひとりのにんげん)

今やもう誰の目にも同じひとりの人間

(もうきみにぼくなんかひつようない)

もう君に僕なんか必要ない

(ぼくにきみもひつようない)

僕に君も必要ない

(そんなきみのたんじょうびをおいわいできるかな)

そんな君の誕生日をお祝いできるかな

(ああそうかぼくらきっとたいとうになって)

ああそうか僕らきっと対等になって

(はろー、はろー、はろー)

ハロー、ハロー、ハロー

(それぞれあるきだすんだ)

それぞれ歩き出すんだ

(さあ、みらいへー)

さあ、ミライへー

(うまれてしまったいのちに)

生まれてしまった命に

(はろー、はろー、はろー)

ハロー、ハロー、ハロー

(ぼくからのおくりもの)

僕からの贈り物

(さいごのことばをうたえ！)

最後の言葉を歌え！

(ことばはまたかぜになって)

言葉はまた風になって

(みらいへつながってく)

未来へ繋がってく