十三番目の黙示録

(ふかいいばらのおしろでひとりねむりつづけて)

深い茨のお城で 独り眠り続けて

(きょうはだれをゆめみるのろわれたおひめさま)

今日は【誰】を夢見る？ 呪われたお姫様

(ふしぎなゆめのもりでであったうつくしいひと)

不思議な夢の森で出会った美しい人

(はかなくゆれるひとみにこころをうばわれた)

儚く揺れる瞳に 心を奪われた

(おごそかにてをとりあってあわせかがみのように)

厳かに手を取り合って合わせ鏡のように

(うたかたのゆめとしりてされど)

泡沫の夢と知りてされど

(せつなのねつをもとめあう)

刹那の熱を求め会う

(つむがれたのはさだめのいと)

紡がれたのは運命の糸

(ゆめのなかでさえあざやかにまう)

夢の中でさえ鮮やかに舞う

(のろわれしみはむちゅうをさすらい)

呪われし身は夢中をさすらい

(まやかしのあいにおぼれていく)

まやかしの愛に溺れていく

(いとまきてからみつくよくぼうにとらわれ)

糸巻きて絡み付く欲望に囚われ

(じゅうさんばんめのつむがさすのろいのように)

十三番目の錘が刺す呪いのように……

(うんめいろんじゃのもうそうのはてとざされたゆめなら)

運命論者の妄想の果て閉ざされた夢なら

(よあけさえすててきみとさまよいましょう)

夜明けさえ捨てて君と彷徨いましょう

(ゆめにみたあのきみをわすれられずもとめて)

夢に見たあの君を忘れられず求めて

(かならずすくいだすよとちかってたびにでた)

必ず救い出すよと誓って旅に出た

(いとしいあなただけがたよりおねがいわたしをたすけて)

愛しいあなただけが頼り……お願い、私を助けて……

(いまいくよはやくすぐに)

今行くよ……「早く……」すぐに……

(ひゃくねんのねむりがとけるまえに)

【百年の眠り】が解ける、前に……

(とざされたとうにねむるきみを)

閉ざされた塔に眠る君を

(このいのちとしてもきっとすくいだす)

この命賭しても、きっと救い出す

(のろわれしみはむちゅうをさすらい)

呪われし身は夢中をさすらい

(そのときをまちて)

【その時】を待ちて……

(ひゃくねんものときがたちふうかされたしんじつ)

百年もの時が経ち風化された【真実】

(じゅうさんばんめのとげがさすはめつのいみご)

十三番目の棘が刺す【破滅の忌み子】

(むしんろんじゃのとうそうのはてとざされたしろまで)

無神論者の逃走の果て閉ざされた城まで

(なにもかもこえてきみとあらがいましょう)

何もかも越えて君と抗いましょう

(とざされたいばらのみちをなぎはらいつきすすめば)

閉ざされた茨の道を薙ぎ払い突き進めば

(まちわびたきみのもとへ)

待ちわびた君の元へ

(とわのあいをちぎりかわしねむはとける)

永遠の愛を契り交わし眠りは解ける……

(ひらかれためにあふれだした)

開かれた目に溢れ出した

(そのなみだをぬぐいただそっとだきしめる)

その涙を拭い、ただそっと抱きしめる

(まちこがれたいとしきひとよさあいますぐねむりのひめをころして)

「待ち焦がれた……愛しき人よさあ今すぐ、眠りの姫を、殺して……！！」

(つむがれてゆくさだめのおと)

紡がれてゆく運命の音

(ざんこくなるいろはあざやかになる)

残酷なる色は鮮やかに鳴る

(のろわれしみはむちゅうからさめて)

呪われし身は夢中から醒めて

(しんじつのすがたへとかわる)

真実の姿へと変わる……

(じゅうさんばんめのふういんがとけよみがえるわざわい)

十三番目の封印が解け蘇る【災い】

(はめつへのぷれりゅーどをかなでるまえにはやく)

破滅へのプレリュードを奏でる前に……「早ク……」

(うんめいろんじゃはてをとりてまどべからとびたち)

運命論者は手を取りて窓辺から飛び立ち

(ともにおちていくふたりゆめのせかいへ)

ともに堕ちて逝く二人、夢の世界へ……