ハイドアンド・シーク【方言】【シクフォニ】

(きらわるることがおずうて)

嫌わるる事がおずうて

(わしはわしはわしゅうかくした)

わしはわしはわしゅう隠した

(だれかのかげぐちがいとうて)

誰かの陰口が痛うて

(わしゃみみをみみをふさいだ)

わしゃ耳を耳を塞いだ

(ほんとうのおらはきだなぐって)

本当のおらは汚ぐって

(きっとみんなおらをきらうがら)

きっとみんなおらを嫌うがら

(ほんまのわいはかくしてもうて)

ほんまのわいは隠してもうて

(きれいなとこやけみしよってん)

綺麗なとこやけ見しよってん

(あるひだれのことばもまんで)

ある日誰の言葉もまんで

(うそにきこえてかなしゅうなった)

嘘に聞こえて悲しゅうなった

(そうやぼくのことをきらうのは)

そうや僕のことを嫌うのは

(だれかやのうて)

誰かやのうて

(みしたないほうのぼくや)

見したない方の僕や

(いまきみに)

今君に

(もうええかえねえまだだがね)

もうええかえ ねえまだだがね

(ほんとうのおらがこいしんなって)

本当のおらが恋しんなって

(もういっかい)

もう一回

(よびがげでみるけんどまだ)

呼びがげでみるけんどまだ

(みづがんねえよ)

見づがんねえよ

(ほらもういいかいねえまだやちゃ)

ほら もういいかい ねえまだやちゃ

(そのうちこえもとどかんくなって)

その内声も届かんくなって

(もういったいわしゃわしがだれなのか)

もう一体 わしゃわしが誰なのか

(わからんのじゃ)

分からんのじゃ

(うにさんくちらてぬないるほうんかい)

うにさんくちら手ぬ鳴いる方んかい

(ぃやーやここんかいうぅいちゃならんくとぅ)

ぃやーや此処んかいうぅいちゃならんくとぅ

(うんなくとぅつぎーるわんがほうが)

うんなくとぅ告ぎーるわんが方が

(ゆっぷどぅぃやーやかうにぬぐとーん)

ゆっぷどぅぃやーやかうにぬぐとーん

(とおぐくれぇせがいさおぢだ)

遠ぐ暗ぇ世界さ落ぢだ

(おめがさいごさひとごどしゃべった)

おめが最後さ一言喋った

(きみがぼくをほっててにいれる)

君が僕をほって手に入れる

(だれかのあいはみせかけだけのあいや)

誰かの愛は 見せかけだけの愛や

(いまきみに)

今君に

(もうええかいねえまだちや)

もうええかい ねえまだちや

(わしゃだれかにあいされたくって)

わしゃ誰かに愛されたくって

(もうなんかいうそにうそをかさぬれば)

もう何回 嘘に嘘を重ぬれば

(すくわるっかな)

救わるっかな

(ほらもうええかいねえまだぞな)

ほら もうええかい ねえまだぞな

(そのうちわしがわしじゃのうてなって)

その内わしがわしじゃのうてなって

(もういったいなにがしてゃーのかせゃーも)

もう一体 何がしてゃーのかせゃーも

(わからせん)

分からせん

(あしたきみにうちあけるんじゃ)

明日君に打ち明けるんじゃ

(わしゃひきょうでおくびょうだって)

わしゃ卑怯で臆病だって

(だれかにきらわれることよりも)

誰かに嫌われる事よりも

(なんじゅうばいもつらいことにきづいたで)

何十倍も辛い事に気付いたで

(いまぼくに)

今僕に

(もうよかかいねえまだばい)

もうよかかい ねえまだばい

(ほんとうんきみはどこにおるか)

本当ん君はどこにおるか

(もうなんべんきみのことをしんじたら)

もうなんべん 君のことを信じたら

(たちきれるかいな)

断ち切れるかいな

(いまきみに)

今君に

(もういいかいねえもうちょっと)

もういいかい ねえもうちょっと

(ぼくのせかいがきみにちかづいて)

僕の世界が君に近付いて

(もういっかいよびかけてみたら)

もう一回 呼びかけてみたら

(きみのこえがきこえた)

君の声が聞こえた

(ほらもういいかいねえもういいよ)

ほら もういいかい ねえもういいよ

(そのうちそらもすこしいろづいて)

その内空も少し色付いて

(もういっぽあしをふみだしたら)

もう一歩 足を踏み出したら

(ほらねやっときみをみつけた)

ほらね やっと君を見つけた

(あいさるることばのぞんで)

愛さるる事ば望んで

(ぼくはぼくはぼくばかくした)

僕は僕は僕ば隠した

(いたんだきずぐちをふさいで)

痛んだ傷口を塞いで

(おらはきみばおめばあいすた)

おらは君ばおめば愛すた