レトロフューチャー・ビーイング / 知声・足立レ

(おとをたてまたたきひかるしゃったーの)

音を立て瞬き光るシャッターの

(きしゃかいけんはまだまだつづくよ)

記者会見はまだまだ続くよ

(かかわりようのないそのじじつ)

関わりようのないその事実

(もしあなたならどうおもうんだろう)

もしあなたならどう思うんだろう

(ああ、ぜんぜんわかんないな)

ああ、全然分かんないな

(けわしいかおのしかいしゃが)

険しい顔の 司会者が

(おやがそうりがおれらが)

親が 総理が 俺らが

(またしっているはんいのいまをなげくさ)

また知っている範囲の今を嘆くさ

(さんびかをうたう)

賛美歌を歌う

(びじねすがしゅみがきょうぎがせいじが)

ビジネスが 趣味が 教義が 政治が

(あまいけむりによったあれらをくったのだ)

甘い煙に酔ったあれらを喰ったのだ

(にっしんげっぽそうなんちゅう)

日進月歩 遭難中

(ゆきかうことばにくびかしげ)

行き交う言葉に首傾げ

(でまかせにいった)

でまかせに言った

(かなしい、かなしいね)

悲しい、悲しいね

(しんろきぼうでひこーき)

進路希望でヒコーキ

(「あのころのゆめをすてないで」？)

「あの頃の夢を捨てないで」？

(おれのこととかなんにもしらんくせにあんた)

俺のこととか何にも知らんくせにあんた

(そくらてすにごめんなさいって)

ソクラテスにごめんなさいって

(いお？)

言お？

(あしたもかわらずせかいはまわる)

明日も変わらず世界は回る

(がめんごしにむげんのきょりをはさんで)

画面越しに無限の距離を挟んで

(すばらしきあのひのみらいぞう)

素晴らしきあの日の未来像

(きりぬきをもっているよ！)

切り抜きを持っているよ！

(あなたがみたらなんていうだろう、)

あなたが見たらなんて言うだろう、

(こんなばかばかしいはなし)

こんな馬鹿馬鹿しい話

(わびしいかおのしかいしゃが)

侘しい顔の 司会者が

(おやがそうりがおれらが)

親が 総理が 俺らが

(またかげもみえぬいつかをかたるさ)

また影も見えぬいつかを語るさ

(しんらばんしょうをあらわした)

森羅万象を表した

(もじがみぶりがうたがえが)

文字が 身振りが 歌が 絵が

(ひとりよがりのこんなのじゃだめかな)

独りよがりのこんなのじゃ駄目かな…

(くもをてでなぞろうよ！)

雲を手でなぞろうよ！

(さめのうみをおよごうよ！)

サメの海を泳ごうよ！

(まぐまのしたきょうはどこいこうか？)

マグマの下 今日はどこ行こうか？

(ことりのいどばたかいぎ)

小鳥の井戸端会議

(げんきだったころのぽち)

元気だった頃のポチ

(ほしをかけるでんぱをひろう)

星を架ける電波を拾う

(そんなきかいがここにね)

そんな機械がここにね…

(にっしんげっぽそうなんちゅう)

日進月歩 遭難中

(けんとうはずれわらわないでふてきせつだった)

見当はずれ 笑わないで 不適切だった

(かっこいい、かっこいいね)

カッコいい、カッコいいね

(「しぜんとうたがおしいの、」)

「自然淘汰が惜しいの、」

(「わたしもみらいにつれてって！」)

「私も未来に連れてって！」

(それもまちがっちゃいないからこまっているんだ)

それも間違っちゃいないから困っているんだ

(ありすとてれすにごめんなさい)

アリストテレスにごめんなさい

(あくらまちおこうだんじょう)

アクラマチオ 講壇上

(あなたはあのひのいちよみて)

あなたはあの日の 一読み手

(めをかがやかして)

目を輝かして

(「すてき、すてきね！」)

「素敵、素敵ね！」

(すこしのふしぎはしにそうで)

少しの不思議は死にそうで

(でもらくがきちょうすてられないで)

でも落書き帳捨てられないで

(おなじいろしたゆうひをぼんやりながめている)

同じ色した夕日をぼんやり眺めている

(いまそこにいる)

今そこにいる

(みんな、みんな、みんなへ)

みんな、みんな、みんなへ

(かなうといいよね。)

叶うといいよね。