魔法の鏡

(てんじょううらのせまいちいさなへやそこにはだれもおとずれたことはない)

天井裏の狭い小さな部屋　そこには誰も訪れたことはない

(こどくなせかいのまんなかでそっとしあわせをゆめみてるはかないしょうじょ)

孤独な世界の真ん中でそっと　幸せを夢見てる儚い少女

(あるひのことですふるぼけたかがみにとつぜんうつったしょうねんのすがた)

ある日のことです　古ぼけた鏡に　突然映った少年の姿

(まほうつかいとなのったそのひとはわたしにそっくりなえがおでわらう)

魔法使いと名乗ったその人は　私にそっくりな笑顔で笑う

(まわりはじめたうんめいかわりだすにちじょう)

廻り始めた運命　変わり出す日常

(はじめてできた、「ともだち」ってよんでいいの！？)

初めてできた、「友達」って呼んでいいの！？

(とまどいながらかがみごしかさねたしゅんかんにはじまるまほうのじかん)

戸惑いながら鏡越し　重ねた瞬間に始まる　魔法の時間

(「なまえをよんで？」)

「名前を呼んで？」

(ふれたそのてからつたわるきみのこえあたたかくてふいになみだがこぼれおちた)

触れたその手から伝わる君の声　暖かくて不意に涙がこぼれ落ちた

(このままでずっとにぎっていていいの？)

このままでずっと握っていていいの？

(さびしいせかいでひとりずっとずっとまっていたかがみのむこうのやさしいて)

寂しい世界で一人　ずっとずっと待っていた　鏡の向こうの優しい手

(まほうつかいはすべてかなえてくれたびょうきはなおってあるけるようになった)

魔法使いはすべて叶えてくれた　病気は治って歩けるようになった

(ながくつづいたせんそうもおわってしずかなこのへやにわらいがふえた)

長く続いた戦争も終わって　静かなこの部屋に笑いが増えた

(むかしゆめにみたおさないひのきおくすてきなおしろでわたしはおひめさま)

昔夢に見た幼い日の記憶　素敵なお城で私はお姫様

(なつかしいくらいにあざやかにおぼえてるいまではそれさえもげんじつになる)

懐かしいくらいに鮮やかに覚えてる　今ではそれさえも現実になる

(ゆめみたねがいはすべてかなえてもらっただけどいまなにかがたりないとかんじてる)

夢見た願いは全て叶えてもらった　だけど今何かが足りないと感じてる

(それはいまめのまえにいるあなたにしかできない「まほう」)

それは今目の前にいるあなたにしかできない【魔法】

(「このてをずっと、はなさないでいて・・・」)

「この手をずっと、離さないでいて…」

(このままでずっといられますようにとほかのだれでもないあなたにねがうから)

このままでずっといられますようにと　他の誰でもないあなたに願うから

(だからいますぐにここにあいにきてさびしくてねむれないよ)

だから今すぐに此処に会いに来て　寂しくて眠れないよ

(やさしくなまえをよんで？いつでもわたしはまってるよ)

優しく名前を呼んで？　いつでも私は待ってるよ

(まほうのときははやすぎてこどくなしょうじょの「ゆめ」はげんじつになる)

魔法の時は早すぎて　孤独な少女の【夢】は現実になる

(「もう、いかなくちゃ・・・」「いかないで」「まほうが、とけてしまう」)

「もう、行かなくちゃ…」　　「行かないで」　　「魔法が、解けてしまう」

(「おわかれいわなくちゃ」「いわないで」)

「お別れ言わなくちゃ」　　「言わないで」

(「おねがいだから、なかないで／いかないで」)

「お願いだから、泣かないで/行かないで」

(かがみのむこうは「すべてぎゃくのせかい」けっしてまじわらないさかさあわせの「さだめ」)

鏡の向こうは【全て逆の世界】　決して交わらない逆さ合わせの【運命】

(「きみがくれたもの、ぼくはかえすだけ」)

「君がくれたもの、僕は返すだけ」

(きみのえがおもなみだもぼくはずっとわすれないよ)

君の笑顔も涙も　僕はずっと忘れないよ

(だからきみもぼくのことどうかずっとわすれないで)

だから君も僕の事どうかずっと　　　忘れないで

(このままでずっといられたらよかったまほうなんてなくてもあなたのそばにいたい)

このままでずっといられたらよかった　魔法なんてなくてもあなたの側に居たい

(だからもういちどここにあいにきてふるぼけたこのかがみをいつもみがいてまってる)

だからもう一度此処に会いに来て　古ぼけたこの鏡をいつも磨いて待ってる

(どんなにときがたってもずっときみをただ)

どんなに時が経っても　ずっと君をただ

(まってる)

待ってる