終演の猫

(またしかくいへやのなか)

また四角い部屋の中

(いつからいるのかわからない)

いつから居るのか分からない

(なにもないくうはくにとう)

何もない空白に問う

(そんざいいぎをねえだれかおしえて)

存在意義をねえ誰か教えて

(しろのへやでめをさます)

白の部屋で目を覚ます

(ねこはひとりただそこにいた)

ねこはひとりただそこにいた

(めにうつったはこのなか)

目に映った箱の中

(それをだれかがのぞいてる)

それを誰かがのぞいてる

(ねえ)

ねえ？

(きみはどこから)

キミはどこから？

(きっとあそびにきたんだね)

きっと遊びに来たんだね

(くりかえしたへやのなか)

繰り返した部屋の中

(きょうはなにしてあそぼうか)

今日は何して遊ぼうか

(くいずのこたえは)

クイズの答えは

(まだわからないけど)

まだ分からないけど

(しめきったこころのなかは)

閉め切った心の中は

(ずっとたのしいひとりごと)

ずっと楽しい独り言

(こわいゆめからは)

怖い夢からは

(めをそむけたまま)

目を背けたまま

(ここにいようよおわりまで)

ここに居ようよ終わりまで

(てもにぎれない)

手も握れない

(ふれないふれあいに)

ふれない触れ合いに

(すがるおもいすら)

すがる思いすら

(まてどくらせどとどかない)

待てど暮らせど届かない

(ぶたいにんぎょうがあがこうが)

舞台人形が足掻こうが

(それはぜんぶざれごとだからさ)

それは全部戯言だからさ

(しろにうかぶもじれつと)

白に浮かぶ文字列と

(それをみているむすうのめ)

それを見ている無数の目

(またやみにおぼれて)

また闇に溺れて

(きっとふあんにころされる)

きっと不安に殺される

(ひえきったみせものごやで)

冷え切った見せ物小屋で

(きょうもなにかをえんじてる)

今日も何かを演じてる

(このせかいをまだ)

この世界をまだ

(おわらせたくなくて)

終わらせたくなくて

(しっとですりきれたこころに)

嫉妬で擦り切れた心に

(きづかないならきずつける)

気づかないなら傷つける

(はきだしそうなほど)

吐き出しそうなほど

(さびしいじぶんを)

寂しい自分を

(はやくみとめてほしいから)

早く認めてほしいから

(はこのなかのおもいでを)

箱の中の思い出を

(ぼくはどうしてとじこめる)

ぼくはどうして閉じ込める

(きおくのこたえを)

記憶の答えを

(ほんとうはしってるから)

本当は知ってるから

(きょうもあすもこのさきも)

今日も明日もこの先も

(さあなにしてあそぼうか)

さあ何して遊ぼうか？

(おもいがきみへと)

思いが君へと

(とどけられたなら)

届けられたなら

(またあえるまでさようなら)

また会えるまでさようなら