シテfeat.鳴花ミコト

(あいされたりないわ)

愛され足りないわ

(のうがないわかんない)

能がない？　わかんない

(なになにはいはいまちがいない)

何　何　はいはい間違いない

(のうがないくだんない)

脳がない？　下んない

(ｙｕｍｍｙｙｕｍｍｙたいがいあじけがない)

yummy　yummy　大概味気がない

(いまだこうとうなゆめのどれい)

未だ荒唐な夢の奴隷

(ありものまとうぶたいのうえ)

有り物を纏う舞台の上

(どうかいろもんのあたしにも)

どうか色物のあたしにも

(らいめいのようなはくしゅをくださいな)

雷鳴のような拍手をくださいな

(あいされたりないわ)

愛され足りないわ！

(のどからてをくりだして)

喉から手を繰り出して

(もっともっとほらもとめてちょうだいな)

もっともっとほら求めてちょうだいな

(ありきたりなことばじゃなくって)

ありきたりな　言葉じゃなくって

(えっとそうたいそうとくべつな)

えっと、そう大層特別な！

(ちょうもはなもめにいれて)

蝶も花も　目に入れて

(きっときっとまあいたくはないの)

きっときっとまあ痛くはないの

(ｍａｙｉｃｒｙねえ)

May I cry?　ねえ

(だってだってまだあいされたりないわ)

だってだってまだ愛され足りないわ

(あまったやくでみたせるほどばかじゃない)

余った役で満たせる程馬鹿じゃない

(でもねじぶんでじぶんをだませるほどさかしくない)

でもね自分で自分を騙せる程賢しくない

(にばんてのいるいちばんなんてかちがない)

二番手のいる一番なんて価値が無い

(だからなにかにとってだれかにとってゆいいつになりたいの)

だから何かにとって誰かにとって唯一になりたいの

(かべにはいたぶざまなこえ)

壁に吐いた無様な声

(はらわたにやすぶたいのそで)

腑煮やす舞台の袖

(どうせかいらいのがらくただ)

どうせ傀儡のガラクタだ

(ああしっていたんだ)

嗚呼　知っていたんだ

(あたしはしてじゃあない)

あたしはシテじゃあない

(はなしにならないわ)

話にならないわ！

(ひきげきにもごらくにも)

悲喜劇にも娯楽にも

(なりえないほどにつまらんじんせいだ)

成り得ない程につまらん人生だ

(くいはないわあともない)

悔いはないわ　後もない

(なんていってなぜいきをしているって)

なんて言ってなぜ息をしているって？

(みせてやるわくれてやる)

観せてやるわ　呉れてやる

(ついではいでなすいのちのねいろを)

継いで接いで成す命の音色を

(なあどうだい)

なあ　どうだい

(そうししてなおもさくにんげんげきじょうだ)

そう死して尚も咲く人間劇場だ

(あいされたりないわ)

愛され足りないわ！

(のうのうらにやきつけて)

脳の裏に灼きつけて

(ずっとずっとほらみつめてちょうだいな)

ずっとずっとほら見つめてちょうだいな

(すてろてきなせりふじゃなくって)

ステロ的な　台詞じゃなくって

(えっとそうたいへんけんらんな)

えっと、そう大変絢爛な！

(しんのぞうにくぎづけて)

心の臓に釘付けて

(ぐっとぐっとほらいたくはないの)

ぐっとぐっと　ほら痛くはないの

(ｍａｙｉｃｒｙねえ)

May I cry?　ねえ

(そんなもんじゃまだしにきれないのよ)

そんなもんじゃまだ死にきれないのよ

(だってだってまだあいされたりないわ)

だってだってまだ愛され足りないわ！