ワレワレハコイビトドウシダ

(なつのおわりでもまだあついあたしせんぷうき)

夏の終わりでもまだ暑いあたし扇風機

(だけどもうおわかれ)

だけどもうお別れ

(あせみたいななみだをかわかすくびをふってた)

汗みたいな涙を乾かす　首を振ってた

(はねにふりつもるほこりもまわる)

羽根に降り積もる埃も回る

(ふたりのきせつをとめたらまたあのなつひえたからだ)

二人の季節を止めたらまたあの夏　冷えた体

(わざとふざけてきょうにしてからかおをちかづけると)

わざとふざけて「強」にしてから顔を近づけると

(へんなこえになるふたりのはつめい)

変な声になる　二人の発明

(われわれはこいびとどうしだ)

「ワレワレハコイビトドウシダ」

(うちゅうじんみたいなこえで)

宇宙人みたいな声で

(いきもできないほどのさむけがするこのしあわせ)

息もできないほどの寒気がするこの幸せ

(もうあいはおわりでもまだあついあたしせんぷうき)

もう愛は終わりでもまだ暑いあたし扇風機

(だからもうおわかれ)

だからもうお別れ？

(あせみたいななみだがながれるくびをふったら)

汗みたいな涙が流れる　首を振ったら

(あしでつけたりけしたりしてたら)

足で点けたり消したりしてたら

(ちゅうにしたままねてしまったみたいで)

「中」にしたまま寝てしまったみたいで

(たいまーきれてた)

タイマー切れてた

(われわれじゃなくてひとりちきゅうじんみたいなこえで)

我々じゃなくてひとり　地球人みたいな声で

(いきもできないほどのはきけがするふしあわせ)

息もできないほどの吐き気がする不幸せ

(もうなつのおわりでもまだあついあたしせんぷうき)

もう夏の終わりでもまだ暑いあたし扇風機

(だけどもうおわかれ)

だけどもうお別れ

(あせみたいななみだをかわかすくびをふる)

汗みたいな涙を乾かす　首を振る

(なつがきてつよくなるかぜ)

夏が来て強くなる風

(たよりなくてふきとばされそうな)

頼りなくて吹き飛ばされそうな

(ずっとすきだよ)

「ズットスキダヨ」

(へんなこえでごまかしてやっといえた)

変な声で誤魔化してやっと言えた

(あきがきてつよくなるかぜ)

秋が来て強くなる風

(いつまでもふきとばせないから)

いつまでも吹き飛ばせないから

(ぜんぶすきだよちいさくてきこえないし)

全部好きだよ　小さくて聞こえないし

(くびをふってた)

首を振ってた