青虫

(まちにころがるひとごみのなか)

街に転がる人ごみの中

(まるでときとまったような)

まるで　時止まったような

(すぴーどであるいている)

スピードで歩いている

(じゃまにならないようにいきをひそめる)

邪魔にならないように息を潜める

(どろどろしたみちもなれたもんです)

ドロドロした道も慣れたもんです

(ぽっかりたべたあなはうめられない)

ぽっかり食べた穴は埋められない

(いきているとなにがおこるかわからないから)

生きていると何が起こるかわからないから

(ぼくはここでゆめをみれるのです)

僕はここで夢をみれるのです

(あおむしはぼくだ)

青虫は僕だ

(このでかいちきゅうで)

このでかい地球で

(ちっぽけさ)

ちっぽけさ

(ぺしゃんこにならないように)

ぺしゃんこにならないように

(てんしのはねはいらないから)

天使の羽はいらないから

(あのちょうのようなはねをください)

あの蝶のような羽を下さい

(とどかないとかどうでもいい)

届かないとかどうでもいい

(とにかくいまとんでもいいですか)

とにかく今飛んでもいいですか

(まだみたことないそらまでとんでいきたい)

まだ見たことない空まで飛んで行きたい

(あさにこわがるざっとうのなか)

朝に怖がる雑踏の中

(あおくてんめつふみきりも)

青く点滅　踏切も

(わたれないすぴーどで)

渡れないスピードで

(だめにならないようにいきをひそめる)

ダメにならないように息を潜める

(きずつくことにもなれたもんです)

傷つくことにも慣れたもんです

(わらってみたけどだれともめがあわない)

笑ってみたけど誰とも目が合わない

(よわむしはぼくだ)

弱虫は僕だ

(このでかいちきゅうで)

このでかい地球で

(ちっぽけさ)

ちっぽけさ

(ぺしゃんこにならないように)

ぺしゃんこにならないように

(てんしのはねはいらないから)

天使の羽はいらないから

(ｓｏｓとさけべるこえをください)

SOSと叫べる声をください

(うまれてきたことを)

生まれてきたことを

(こうかいしたひも)

後悔した日も

(きえたくなったあのひも)

消えたくなったあの日も

(ほんとうのぼくをだれもしらないきょうも)

本当の僕を誰も知らない今日も

(いっそのことぜんぶたべつくしてしまおう)

いっそのこと全部食べ尽くしてしまおう

(あおむしはぼくだ)

青虫は僕だ

(このでかいちきゅうで)

このでかい地球で

(ちっぽけさ)

ちっぽけさ

(ぺしゃんこにならないように)

ぺしゃんこにならないように

(てんしのはねはいらないから)

天使の羽はいらないから

(あのちょうのようなはねをください)

あの蝶のような羽を下さい

(とどかないとしたとしても)

届かないとしたとしても

(とにかくいまはさけびたい)

とにかく今は叫びたい

(くらがりにさすあかりにともされていた)

暗がりに刺す明りに灯されていた