よくある話～喪服の女編～

(つばのひろがったぼうしかぶりよこはまのみなとまちをあるき)

つばの広がった帽子かぶり　横浜の港町を歩き

(とびこんだうみはつめたくて)

飛び込んだ海は冷たくて

(あわてふてめいてぬれながらでもどり。)

あわてふてめいて　濡れながら　出戻り。

(とのがたのすばらしいぶゆうでんさながらに)

殿方の素晴らしい　武勇伝　さながらに

(つたいもれしりました)

伝いもれ　知りました

(じょせいへんれきよざいはたっぷり)

女性遍歴　余罪はたっぷり

(ここへきてかみなでてわたしよりさきにはしなないで)

ここへきて　髪なでて　私より先には死なないで

(はいになれというの？)

灰になれというの？

(いぢわるねわたしより)

いぢわるね　私より

(さきにいきあとしまつさせるき？)

先に逝き　後始末させる気？

(つごうがいいわまたうらぎられた！)

都合がいいわ　また裏切られた！

(むかしままがきていたのおとめなふりそで)

昔ママが着ていたの　乙女な振袖

(はなびらちょうがまい)

花びら　蝶が舞い

(やまぶきあざやかなおびは)

山吹鮮やかな帯は

(きょうみたいなときのためにしまってたの)

今日みたいなときの　ためにしまってたの

(ぱぱとままあいしあいそのけっかこのわたし)

パパとママ　愛し合い　その結果　この私

(できましたいまならばもほうしてもいい？)

できました　今ならば　模倣してもいい？

(つつましくやろう)

つつましくやろう

(たんじゅんにだきついて)

単純に抱きついて

(ｋｉｓｓしたりしないでまだはやい)

kissしたりしないで　まだ早い

(あなたとはちゃんと)

あなたとはちゃんと

(せいしんでむすばれてからじゃなきゃ)

精神で　結ばれてからじゃなきゃ

(いやだもの、なんてね)

イヤだもの、なんてね

(はこいりきどってうまくえんじるわ)

箱入り気取って　うまく演じるわ

(（さぁ、めいぜりふ）)

（さぁ、名ゼリフ）

(「あなただけなの)

『あなただけナノ

(そばにいるだけしあわせすぎて・・・)

そばに居るダケ　幸せスギテ…

(わたしよりほかにいいひとたくさんいるけど・・・」)

私より他にいいひと　たくサンイルケド…』

(ここへきてかみなでて)

ここへきて　髪なでて

(いうなればあなたにあいされる)

いうなれば　あなたに愛される

(わたしがだいすき)

私が大好き

(それいがいどうでもいい)

それ以外どうでもいい

(だからもうわめいたりしない)

だからもう　わめいたりしない

(うまくやってねどうぞ、ごじゆうに・・・)

うまくやってね　どうぞ、ご自由に…

(だいじょうぶあなたよりさきにはいかないわ)

大丈夫　あなたより先には逝かないわ

(どこにもいかない)

どこにも行かない

(てつづきをすませたら)

手続きを済ませたら

(しっかりとさいごをみまもるわ！)

しっかりと最後を見守るわ！

(あとはまかせて！いままでありがとう。)

あとはまかせて！今までありがとう。