曼珠沙華

(しきのめぶいたかしょのくに)

四季の芽吹いた華胥の国

(はてもしらずにけんらんに)

果ても知らずに絢爛に

(もものこうにあてられて)

桃の香に当てられて

(ゆめみごこちむかうのさと)

夢見心地　無可有の郷

(いつかのぞんだあのせなか)

いつか望んだあの背中

(すみれのさいたしょうどうに)

菫の咲いた小道に

(みないふり)

見ないふり

(つきなみにないたはるのこと)

月並みに泣いた春のこと

(もうそうさんしょうして)

妄想参照して

(いっさいがっさいなげすてて)

一切合切投げ捨てて

(こよいはあけるまであそびましょ)

今宵は明けるまで遊びましょ

(はなやかにおどりおどれやてんかのほころび)

華やかに踊り踊れや　天下の綻び

(てまねいたぼくはもものはな)

手招いた　ボクは桃の花

(それともまんじゅしゃげ)

それとも曼珠沙華

(きみがのぞむなら)

君が望むなら

(こんやはこころもいのままに)

今夜は心も意のままに

(くるいざきともにちりゆく)

狂い咲き　共に散りゆく

(けいこくのはな)

傾国の華

(おなじみらいをあゆめたら)

「同じ未来を歩めたら」

(ひそめていだいたそうぞうだ)

潜めて抱いた想像だ

(のぞまぬこいとなげくのは)

望まぬ恋と嘆くのは

(もとよりのぞんだぼくのせい)

元より望んだボクのせい

(よくをみたしてかしょのくに)

欲を満たして華胥の国

(しらずにさいたすいれんか)

知らずに咲いた睡蓮花

(きょうのたおずがにがいのは)

今日の桃子が苦いのは

(なみだでみのったはるだから)

涙で実った春だから

(すいきょうきょうじるすいきょう)

酔狂　興じる水鏡

(おんみょうかんもくしょうとうげんきょう)

陰陽　緘黙症　桃源郷

(さながらまだらもようのようけんらんさに)

宛ら斑模様の様　絢爛さに

(いりみだれるだらくこちょうとうそう)

入り乱れる堕落　誇張　闘争

(さめやらないめざめない)

冷めやらない　目覚めない

(いまだだれもがとわのゆめのなかへ)

未だ誰もが永久の夢の中へ

(ぼくとおどりませんか)

「ボクと踊りませんか？」

(かなしみにひびくはもんは)

悲しみに響く波紋は

(こうがのみなぞこ)

黄河の水底

(こいしたうこいしたうゆめは)

恋い慕う　恋い慕う夢は

(いつぞやのうたかた)

何時ぞやの泡沫

(そしてこころにそむいて)

そして心に背いて

(だがためにめぶくの)

誰がために芽吹くの？

(うすれずにいろみおびていく)

薄れずに　色味帯びていく

(うれいとひがんのはな)

憂いと彼岸の花

(さけばちりゆくはなのように)

＿＿咲けば散りゆく花のように

(うんめいはかえられない)

運命は変えられない＿＿

(さあゆめをきみのすべてを)

さあ、夢を　君のすべてを

(ぼくにゆだねて)

ボクに委ねて

(だらくしてどこまでもおちて)

堕落して？　何処までも落ちて

(かれゆくまんじゅしゃげ)

枯れ行く曼珠沙華

(きみがのぞむなら)

君が望むなら

(こんやはこころもいのままに)

今夜は心も意のままに

(かくりよへきみをいざなう)

隠り世へ君を誘う

(けいこくのはな)

傾国の華