前夜祭の蝋燭 mayuko

(あいとしいこどもたちよはろうぃんのぱーてぃーを)

愛しい子供たちよ前夜祭のお祝いを

(だいだいにうかびあがるはろうぃんのじゃっく・お・らんたん)

橙に浮かび前夜祭の南瓜頭

(まちこがれたよるがくるぞそらをとびこえて)

待ち焦がれた夜が来るぞ空を飛び越えて

(かぼちゃのぱい・きゃんでぃ・けーきはとろけるくろのあじ)

お菓子カボチャのパイ・キャンディ・ケーキはとろける黒の味

(ゆうえつかんにわらえ)

優越感に嗤え

(きゃんどるにあかりをならべあわれなだれかをおくりましょう)

蝋燭に灯りを並べ憐れな誰かを送りましょう

(いたずらずきなあのこたちがみちにまよってしまわないように)

悪戯好きなあの子たちが道に迷ってしまわないように

(ものがたりはおわらない)

物語は終わらない

(しあわせなけつまつとそのごのかわらぬひびを)

幸せな結末とその後の変わらぬ日々を

(つづるのはぼくたちだ)

綴るのは僕たちだ

(いえじをいそぐりょうてに)

家路を急ぐ両手に

(いとしいわがこへのおくりもの)

愛しい我が子への贈り物

(まちこがれたのっくがちかづいてくる)

待ち焦がれたノックが近づいてくる

(さあはやくはやくはやく！はやく！)

さあはやくはやくはやく！はやく！

(ふりだしたあめがあのひをなぞる)

降り出した雨があの日をなぞる

(とおいとおいいつかのけしき)

遠い遠いいつかの景色

(なんどだってくりかえしたあのひのつづきはすぐそこに)

何度だって繰り返したあの日の続きはすぐそこに

(「ああ、でも、あのこはだれだっけ？」)

「ああ、でも、あの子は誰だっけ？」

(きゃんどるにてらしだされた)

蝋燭に照らし出された

(せつないなみだとすがるこえ)

切ない涙と縋る声

(「ぼくらはうぃるになれたでしょう」)

「僕らはウィルになれたでしょう」

(みちにまよってしまうまえに)

道に迷ってしまう前に

(ものがたりはおわらせないとけいのはりをまわすんだ)

物語は終わらせない時計の針をまわすんだ

(うそつきにのびるかげがこうもりのはねをひろげても)

嘘吐きに伸びる影が蝙蝠のはねを広げても

(みないふり)

見ないふり

(きづかないでにゃあおにゃあお)

気づかないでにゃあおにゃあお

(たのしいよるを)

楽しい夜を

(あいらしいこどもたちよはろうぃんのぱーてぃーを)

愛らしい子供たちよ前夜祭のお祝いを

(だいだいにうかびあがるはろうぃんのじゃっく・お・らんたん)

橙に浮かび上がる前夜祭の南瓜頭

(ｔｒｉｃｋ　ｏｒ　ｔｒｅａｔ？)

Trick or Treat?

(なんてしあわせなよるでしょう)

なんて幸せな夜でしょう

(ずいぶんながくかかったけれど)

随分ながくかかったけれど

(ぜんぶこのひのためのながいながいぷろろーぐだ)

全部この日のための長い長い前置きだ

(きゃんどるのあかりをけして)

蝋燭の灯りを消して

(いいこにおやすみがいえるかな)

良い子におやすみが言えるかな

(あとすこしだけまっていて)

あと少しだけ待っていて

(うそをゆめをつくろうから)

嘘を夢を繕うから

(ままぱぱむかえにきたよ)

ママパパ迎えに来たよ

(きゃんどるにてらしだされたいとしいはずのだれか)

蝋燭に照らし出された愛しいはずの誰か

(ぬぐえないおそろしさも)

拭えないおそろしさも

(おかしのあまさにとかしてぬりつぶしたにゃあお)

お菓子の甘さに融かして塗り潰したにゃあお

(さいごのしあげにもうひとつだけ)

最後の仕上げにもうひとつだけ

(しあわせなきょうをくりかえせるように)

しあわせな今日を繰り返せるように

(おかしなまほうをひとすくい)

おかしな魔法をひとすくい

(もうにどとまいごにならないように)

もう二度と迷子にならないように

(おわらないこのよるへ)

終わらないこの夜へ

(ｔｒｉｃｋ　ｏｒ　ｔｒｅａｔ)

Trick or Treat