あなた

(ゆうやけにはんぶんそまるせなかを)

夕焼けに半分染まる背中を

(なんかいもふりかえりたしかめた)

何回も振り返りたしかめた

(あとなんどこのせなかをみおくれるのだろうと)

あと何度この背中を見送れるのだろうと

(それはありふれたふあんとはちがい)

それはありふれた不安とは違い

(とうのむかしどこかにおいてきた)

とうの昔どこかにおいてきた

(なつききたいというものによくにていた)

懐き期待というものによく似ていた

(あなたならばうけとめてくれるようなきがしたの)

あなたならばうけとめてくれるようなきがしたの

(くびをよこにふりながらもそっけないあいづちでも)

首を横に振りながらもそっけない相槌でも

(あなたならばうけとめてくれるようなきがしたの)

あなたならばうけとめてくれるようなきがしたの

(ぶあいそうにうでをくみつつもえらそうなくつおとでも)

無愛想に腕を組みつつもえらそうな靴音でも

(しょうめんからおしえられたことなど)

正面から教えられたことなど

(なんにもいちどもないけれど)

なんにも一度もないけれど

(かぞえきれないだいじなことをあなたにみたんです)

数えきれない大事なことをあなたに見たんです

(それはありふれたおしえとはちがい)

それはありふれた教えとは違い

(なによりもしんじつにおもえたの)

何よりも真実に思えたの

(なつきようではつのようでえんにもおもえて)

懐きようで初のようで縁にも思えて

(あなたならばうけとめてくれるようなきがしたの)

あなたならばうけとめてくれるようなきがしたの

(くびをよこにふりながらもそっけないあいづちでも)

首を横に振りながらもそっけない相槌でも

(あなたならばうけとめてくれるようなきがしたの)

あなたならばうけとめてくれるようなきがしたの

(ぶあいそうにうでをくみつつもえらそうなくつおとでも)

無愛想に腕を組みつつもえらそうな靴音でも

(あなたなら、のうらがわに)

あなたなら、の裏側に

(あなたしか、をかくしてる)

あなたしか、を隠してる

(さびしさときたいのごちゃまぜ)

さびしさと期待のごちゃまぜ

(おだやかにいきるふりをして)

おだやかに生きるふりをして

(あなたなら、のうらがわで)

あなたなら、の裏側で

(あなただけ、となりひびく)

あなただけ、と鳴り響く

(かんちがいでもいいでしょう)

勘違いでもいいでしょう

(ひとちがいではないでしょう)

人違いではないでしょう