いまわし電話

(みなれたけしきのえっせんすには)

見なれた景色のエッセンスには

(ぼくをこばむわけがある)

ぼくを拒むわけがある

(わかっているさひゃくもしょうちさ)

わかっているさ 百も承知さ

(いちからせんまではなしたところで)

一から千まで話したところで

(さみしさにはかわりない)

さみしさには変わりない

(このきもちをどうにかしようと)

この気持ちをどうにかしようと

(ついうっかりじゅわきをはずして)

ついうっかり 受話器をはずして

(ついうっかりだいあるまわして)

ついうっかりダイアル回して

(ついうっかりついうっかりついうっかりひみつのうわぬり)

ついうっかり　ついうっかり　ついうっかり秘密のうわぬり

(いまわしでんわけーぶるのなかで)

いまわし電話　ケーブルの中で

(いまわしでんわぼくはなしがい)

いまわし電話　ボク放し飼い

(いまわしでんわうごくにうごけぬ)

いまわし電話　動くに動けぬ

(いまわしでんわぼくはひみつのたんい)

いまわし電話 ボクは秘密の単位

(みえすいたこどくのめんざいふには)

みえすいた孤独の免罪符には

(ぼくをかきけすわながある)

ボクをかき消す罠がある

(わかっているさひゃくもしょうちさ)

わかっているさ百も承知さ

(いちからせんまであばいたところであせるきもちにかわりない)

一から千まで暴いたところで　あせる気持ちに変わりない

(きえるじぶんをどうにかしようと)

消える自分をどうにかしようと

(ついうっかりじゅわきをはずして)

ついうっかり受話器をはずして

(ついうっかりだいあるまわして)

ついうっかりダイアル回して

(ついうっかりついうっかりついうっかりひみつのうわぬり)

ついうっかり　ついうっかり　ついうっかり秘密のうわぬり

(いまわしでんわけーぶるのなかで)

いまわし電話　ケーブルの中で

(いまわしでんわぼくはなしがい)

いまわし電話　ボク放し飼い

(いまわしでんわうごくにうごけぬ)

いまわし電話　動くに動けぬ

(いまわしでんわぼくはひみつのたんい)

いまわし電話 ボクは秘密の単位