人間じゃない癖に

(さくらをだいてなつにそまって)

桜を抱いて夏に染まって

(もみじをせにあるくふゆ)

紅葉を背に歩く冬

(なにひとつきれいじゃない)

何一つ綺麗じゃない

(ぜんぶがへどろみたい)

全部がヘドロみたい

(こころはとうめいけつえきはさけ)

心は透明血液は酒

(あこがれのうたはかみさまみたい)

憧れの詩は神様みたい

(そのうらでころした)

その裏で殺した

(じんせいをねぶみした)

人生を値踏みした

(なきたいはきたいうばいたいのは)

泣きたい吐きたい奪いたいのは

(あいつのくやしかお)

あいつの悔し顔

(かきたいいいたいえがきたいのは)

書きたい言いたい描きたいのは

(しぼりかすみたいなぬけがらのあたまのなか)

搾りカスみたいな抜け殻の頭の中

(にんげんじゃないくせにあなたのことあいしてしまった)

人間じゃない癖にあなたの事愛してしまった

(にんげんにしてくれよあなたのめがつきささるまえに)

人間にしてくれよあなたの目が突き刺さる前に

(はだしになってきずをのこして)

裸足になって傷を残して

(それでもおどりくるったよる)

それでも踊り狂った夜

(かちひとつしりえない)

価値一つ知り得ない

(いまでもわからない)

今でもわからない

(しかしむしょうにいとしくもある)

しかし無性に愛しくもある

(はださむさすらくりかえせない)

肌寒さすら繰り返せない

(あのころにもどりたい)

あの頃に戻りたい

(にんげんにもどりたい)

人間に戻りたい

(ははのはらのなかじゃひたってるだけでよかった)

母の腹の中じゃ浸ってるだけで良かった

(あぁそうだあのがらすだまみたいな)

あぁそうだあのガラス玉みたいな

(こころをしったあのひからはがれおちたにんげんせい)

心を知ったあの日から剥がれ落ちた人間性

(こうかいのかずだけあなたのことあいしてしまった)

後悔の数だけあなたの事愛してしまった

(こうかいがきえたならあなたなんていらなくなるのに)

後悔が消えたならあなたなんて要らなくなるのに

(さびしさをすてるばしょがないから)

寂しさを捨てる場所が無いから

(そこらじゅうわめきちらした)

そこら中喚き散らした

(ねだんなんてないこころだからむりょうでくばりあるいた)

値段なんてない心だから無料で配り歩いた

(にんげんじゃなくなったんだ)

人間じゃなくなったんだ

(にんげんじゃなくなったみたいだ)

人間じゃなくなったみたいだ

(だからあなたがわらうとわたしはこわい)

だからあなたが笑うと私は怖い

(さよならしたいほどあなたのめにおぼれてしまった)

サヨナラしたいほどあなたの目に溺れてしまった

(からだがなくまえにあなたのこときずつけなくちゃ)

身体が泣く前にあなたのこと傷つけなくちゃ

(にんげんじゃなくてもさあなたのことあいしていいかな)

人間じゃなくてもさあなたの事愛していいかな

(あなたはわらうだけなにもいわないばかにしてさ)

あなたは笑うだけ何も言わない馬鹿にしてさ

(にんげんじゃないくせに)

人間じゃない癖に