ナハトムジーク

(むねのいたみ)

胸の痛み

(のどをつたい)

喉を伝い

(こえにならない)

聲にならない

(よるのとばり)

夜の帷

(やさしくいたい)

優しくいたい

(すなおでもありたいのに)

素直でもありたいのに

(ぼくらはへたくそにいきてる)

僕らはヘタクソに生きてる

(だめでもいい)

駄目でもいい

(よわくていい)

弱くていい

(おしえてよ)

教えてよ

(だきしめる)

抱きしめる

(いくとおり　いつもどおり　つよくむごく)

幾通り　いつも通り　強く酷く

(ふれあえばわかるから)

触れ合えばわかるから

(あいされたいのにいつもどおり)

愛されたいのに　いつも通り

(まちがいばかりのきょうをまずあいそうか)

間違いばかりの今日をまず愛そうか

(あありそうだ)

ああ理想だ

(くるおしくほほをすりよせて)

狂おしく頬を擦り寄せて

(うたをうたう)

歌を唄う

(くらやみのなかのひかりが)

暗闇の中の光が

(きずあとにしみるが)

傷跡にしみるが

(むじゅんこそいきぬくためのびだ)

矛盾こそ生き抜くための美だ

(だきしめてあげてね)

抱きしめてあげてね

(うつろなひびでも)

虚ろな日々でも

(みだしたこきゅうをととのえてほら)

乱した呼吸を整えてほら

(「あいされたい」はむくわれるかな)

「愛されたい」は報われるかな

(てをとりびじゃくなかぜにゆられて)

手を取り微弱な風に揺られて

(むちゃくちゃなこのせかいをあいそうか)

無茶苦茶なこの世界を愛そうか

(ごみみたいなもんでしょう)

塵みたいなもんでしょう

(かってにつんできたんでしょう)

勝手に積んできたんでしょう

(いつのひかくずれても)

いつの日か崩れても

(だれのせいでもないよ)

誰のせいでもないよ

(あるくのがつかれたの)

歩くのがつかれたの

(むしろせいじょうでしょう)

むしろ正常でしょう

(すべてむだにおもえてもきみはただしいんだよ)

すべて無駄に思えても君は正しいんだよ

(「とぎすまして」)

「研ぎ澄まして」

(だきしめる)

抱きしめる

(いくとおりいつもどおりつよくやわく)

幾通りいつも通り強く柔く

(たしかなものじゃないから)

確かなものじゃないから

(ふれあえどぼたんはずれていきますが)

触れ合えど釦はズレていきますが

(あいしたい)

愛したい

(さいごまでしんじたい)

最期まで信じたい

(みごとさ)

見事さ

(またまちがえてはきちがえてく)

また間違えて履き違えてく

(ぶきような)

不器用な

(いとしいぼんくら)

愛しいボンクラ

(ひとしいぼくら)

等しい僕ら