緋色月下、狂咲ノ絶

(ふかくあかきうるむひとみあまいいろのすかーとゆらす)

深く朱き潤む瞳　甘い色のスカート揺らす

(おさなきほほしゅをにじませうずきにあしをくずされる)

幼き頬朱を滲ませ　疼きに足を崩される

(あまいげんしにしはいされかなでてはさくごしのしらべ)

甘い幻視に支配され　奏でては咲く五指の調べ

(あかいこうちゃしたたるおともてあそんではふかくえぐる)

赤い紅茶滴る音　弄んでは深く抉る

(「このおもいとどかないのかな？」「そのひとみにはだれがうつるのかな？」)

「この想い届かないのかな？」　「その瞳には誰が映るのかな？」

(「こころこわれているのかな？」「こわれたらもどらないのかな？」)

「心壊れているのかな？」　「壊れたら戻らないのかな？」

(「きざむきずはいえないのかな？」「そうしてときをきざむの？」)

「刻む傷は癒えないのかな？」　「そうして時を刻むの？」

(あなたのそのすべてがほしくてほしくてふるえてる)

あなたのその全てが欲しくて　欲しくて震えてる

(かんびなそのこどうをうがちつくしてとめようか)

甘美なその鼓動を　穿ち尽くして止めようか

(そのはだをけがしつくしはずかしめるのはわたしだけ)

その肌を穢し尽し　辱めるのは私だけ

(めでなでてゆさぶらせてこのしょうどうをころしてよ)

愛で撫でて揺さ振らせて　この衝動を殺してよ

(しろきはだてらすのはひいろつききれいなよるあけるならそめるまで)

白き肌照らすのは　緋色月綺麗な夜　明けるなら染めるまで

(のどをからしうたうねいろせんりつはしゅのにじとなり)

喉を枯らし叫ウ音色　旋律は朱の虹となり

(きみほふるこのしきさいあまくふかきいろをはなつ)

君屠る此ノ色彩　甘く深き色を放つ

(のどをからしうたうねいろあかきあめにいろどられたら)

喉を枯らし叫ウ音色　赤キ雨に彩られたら

(きれいなぶたいのできあがりわたしひとりそこでおどる)

綺麗な舞台の出来上がり　私独り其処で踊る

(「そのねがいついえたのかな？」「そのおもいたたれたのかな？」)

「その願い潰えたのかな？」　「その想い断たれたのかな？」

(「そのきぼうたえたのかな？」「そのひとみやかれたのかな？」)

「その希望絶えたのかな？」　「その瞳焼かれたのかな？」

(「そのはだはけがされたかな？」「そしてだれもいなくなる？」)

「その肌は穢されたかな？」　「そして誰もいなくなる？」

(そのせいをひきさかれてせきぎんをはきけしとべ)

其ノ生を引き裂かれて　赤銀を吐き消し飛べ

(そのせいのはなちらしてごくさいにさきわがかてに)

其ノ生の華散らして　極彩に咲き我が糧に

(そのせいがおまえならばくらいつくしてちにくにす)

其ノ生がお前ならば　喰らい尽くして血肉にす

(そのししをにえとささげわがあしもとのししとなれ)

其ノ四肢を贄と捧げ　我が足元の死屍となれ

(わたしのなかのわたしのなかのわたしのなかのわたしがひとつのひとつのたんごを)

私の中の　私の中の　私の中の　私が　ひとつの　ひとつの　単語を

(なんどもなんどもなんどもなんどもむじんぞうに)

何度も　何度も　何度も　何度も　無尽蔵に

(くりかえしくりかえすくりかえしくりかえしくりかえしくりかえしくりかえし)

繰り返し　繰り返す　繰り返し　繰り返し　繰り返し　繰り返し　繰り返し

(くりかえしうたう)

繰り返し　歌う

(つかむひだりてがあまくてふるうみぎてがあまくてあまくてあまくて)

掴む左手が甘くて　振るう右手が甘くて　甘くて　甘くて

(わらうくちがさけてもそれがまたたのしくてたのしくてのうずいをやくように)

笑う口が裂けても　それがまた楽しくて　楽しくて　脳髄を焼くように

(たのしくてたのしくてふるえてふるえてたのしくてたのしくてうふふ)

楽しくて　楽しくて　震えて　震えて　楽しくて　楽しくて　うふふ

(あかいあかいあかいあかいあかいあまいあまいあまいあまいあまいあまいあまいねいろでわたしとあなたと)

赤い赤い赤い赤い赤い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い音色で私とあなたと

(あかいあかいあかいあかいあかいあまいあまいあまいあまいあかいあかいあかいあかいあかい)

赤い赤い赤い赤い赤い甘い甘い甘い甘い赤い赤い赤い赤い赤い

(あなたあまいあまいあかいあかい)

あなた　甘い　甘い　赤い　赤い

(うふふうふふあははははころしてあげるっ！)

うふふ　うふふ　あはは　はは　殺してあげるっ！

(そのせいをひきさかれてせきぎんをはきけしとべ)

其ノ生を引き裂かれて　赤銀を吐き消し飛べ

(そのせいのはなちらしてごくさいにさきわがかてに)

其ノ生の華散らして　極彩に咲き我が糧に

(そのせいがおまえならばくらいつくしてちにくにす)

其ノ生がお前ならば　喰らい尽くして血肉にす

(そのししをにえとささげわがあしもとのししとなれ)

其ノ四肢を贄と捧げ　我が足元の死屍となれ