北斗の拳第9巻

(ならばそのとうきをさそいそれをまあいとしそのみだれにむそうのいちげきをはなつのみ)

ならばその闘気を誘いそれを間合いとしその乱れに夢想の一撃を放つのみ

(ならばくだいてみせようこのけんにわがしょうがいのすべてをこめて)

ならば砕いてみせようこの拳にわが生涯のすべてをこめて

(てんちをくだくごうけんもこのひとにぎりのこころをくだくことはできぬ)

天地を砕く剛健もこの一握りの心を砕くことはできぬ

(あいをおびるなどわがけんにはちじょく)

愛を帯びるなどわが拳には恥辱

(ひにくにもてんはふたりのでんしょうしゃをこのよにおくりだしてしまった)

皮肉にも天はふたりの伝承者をこの世に送り出してしまった

(きさまとおれはすべてにおいてごぶのはずわがけんでくだけぬはずはない)

きさまとおれはすべてにおいて五分のはずわが拳で砕けぬはずはない

(のこるよせいけんしろうとふたりしずかにしあわせにくらせい)

残る余生ケンシロウとふたり静かに幸せに暮せい

(おれはあなたのいきざまをむねにほくとしんけんでんしょうしゃとしていきよう)

おれはあなたの生き様を胸に北斗神拳伝承者として生きよう

(けんしろうさんみていなさるかほくとのはたをたててたたかうふたりを)

ケンシロウさんみていなさるか北斗の旗を立てて戦うふたりを

(これだけのせいきへいのなかをこやつまゆひとつうごかさず)

これだけの正規兵の中をこやつ眉ひとつ動かさず

(くさいいきをはくのはそれぐらいにしておけ)

くさい息を吐くのはそれぐらいにしておけ

(ばっとおとこのかおになったな)

バット男の顔になったな

(おれはこのまちいちばんのしょうきんかせぎのぶぞりさまよ)

おれはこの町一番の賞金稼ぎのブゾリ様よ

(ぜんぱはというひこうをついたいきははけてもすうことはできん)

喘破という秘孔をついた息は吐けても吸うことはできん

(ばっとにしんぱいはいらぬことはおまえがいちばんしっているはずだ)

バットに心配はいらぬ事はおまえが一番知っているはずだ

(かつておれはちゅうおうはんぎゃくざいにとわれたふたりのしょうきんくびをしゅうようじょにおくりこんだ)

かつておれは中央反逆罪にとわれたふたりの賞金首を収容所に送りこんだ

(やめてとめてやめてとめてやめてぇ)

やめてとめてやめてとめてやめてぇ

(こんなことになるならすぐにしんじまうやわなからだにうまれたかったな)

こんなことになるならすぐに死んじまうやわな体に生まれたかったな

(おそるべきけんぽうをつかうていとのしょうぐん！こんじきのふぁるこ！！)

恐るべき拳法を使う帝都の将軍！金色のファルコ！！

(きたよりおまえたちにしをつげるために！！)

北よりおまえたちに死を告げるために！！