蓮台野夜行　ブックレット

(どういうるーとかさっぱりわからなかったけど、)

どういうルートかさっぱり分からなかったけど、

(どうせしたいあいてのねんしゃかなんかだろう。)

どうせ死体相手の念写かなんかだろう。

(「で、こっちのしゃしん。さんもんのおくをみて・・・・・・」)

「で、こっちの写真。山門の奥を見て……」

(５．げんしのよる～ｇｈｏｓｔｌｙｅｙｅｓ)

５．幻視の夜 ～ Ghostly Eyes

(「ほら、もんのここ。むこうがわ。あきらかにげんせでしょ？」)

「ほら、門のここ。向こう側。明らかに現世でしょ？」

(ゆびさしされたばしょには、よるのへいや、そして、ひとつのぼせきがうつっていた。)

指差された場所には、夜の平野、そして、一つの墓石が写っていた。

(くうきのいろがちがう。たしかにそれはわたしたちのせかいのいろ・・・。)

空気の色が違う。確かにそれは私たちの世界の色…。

(わたしはさんもんはさんもんってかんじがただしいのよ。といおうかまよっていた。)

私は山門は三門って漢字が正しいのよ。と言おうか迷っていた。

(６．まじゅつしめりー)

６．魔術師メリー

(そう、ひふうくらぶのうらのかおははりめぐらされたけっかいをあばくさーくるなの。)

そう、秘封倶楽部の裏の顔は張り巡らされた結界を暴くサークルなの。

(きんこうをくずすおそれがあるからきんしされてるんだけどね。)

均衡を崩す恐れがあるから禁止されてるんだけどね。

(でも、わたしはけっかいのさかいめがみえるの。なにもしてなくてもみえてしまうのよ。)

でも、私は結界の堺目が見えるの。何もしてなくても見えてしまうのよ。

(みえてしまうんだからふかこうりょくよね。)

見えてしまうんだから不可抗力よね。

(７．つきのようちょう、ばけねこのまぼろし)

７．月の妖鳥、化猫の幻

(そういえば、れんこは「れんだいののいりぐち」っていってたわ。)

そう言えば、蓮子は「蓮台野の入り口」って言ってたわ。

(このしゃしんからいりぐちのばしょがわかったのかしら？)

この写真から入り口の場所が分かったのかしら？

(「かんたんよ。ここにつきとほしがうつっているのがみえるじゃない。」)

「簡単よ。ここに月と星が写っているのが見えるじゃない。」

(れんこはほしのひかりでいまのじかんがわかり、つきをみただけでいまいるばしょがわかるらしい。)

蓮子は星の光で今の時間が分かり、月を見ただけで今いる場所が分かるらしい。

(れんこはいつもわたしのめのことをきもちわるいっていうけど、)

蓮子はいつも私の眼の事を気持ち悪いって言うけど、

(れんこのめのほうがきもちわるいとおもうわ。)

蓮子の眼の方が気持ち悪いと思うわ。

(８．かこのはな～ｆａｉｒｙｏｆｆｌｏｗｅｒ)

８．過去の花 ～ Fairy of Flower

(ひがんばなってきもちわるいよね。わたし、あのはなきらいなの。)

彼岸花って気持ち悪いよね。私、あの花嫌いなの。

(こどものときからそうだったわ。)

子供の時からそうだったわ。

(れんだいのでいちばんひがんばながおおくはえているおはかがいりぐちよ。)

蓮台野で一番彼岸花が多く生えているお墓が入り口よ。

(なぜかとつぜんそういってしまった。)

何故か突然そう言ってしまった。

(れんこは、めりーがいうならまちがいない、としんじてうたがわなかった。)

蓮子は、メリーが言うなら間違いない、と信じて疑わなかった。

(かってにもくてきちにめぼしがつけられた。)

勝手に目的地にめぼしが付けられた。

(９．まほうしょうじょじゅうじぐん)

９．魔法少女十字軍

(ついに、れんだいのけっかいあなそうさくけっこうのひがきた！)

ついに、蓮台野結界穴捜索決行の日が来た！

(ひとけのないよるがさいてき、ということでよるにしゅっぱつすることになった。)

人気の無い夜が最適、という事で夜に出発する事になった。

(いさましくしゅっぱつしたまではよかったんだけど、)

勇ましく出発したまでは良かったんだけど、

(れんだいのについたとき、きゅうにれいせいになってしまったわ。)

蓮台野に着いた時、急に冷静になってしまったわ。

(そういえば、れんだいのってぼちだったわねーー)

そう言えば、蓮台野って墓地だったわねーー

(１０．しょうじょげんそう～ｎｅｃｒｏ－ｆａｎｔａｓｙ)

１０．少女幻葬 ～ Necro-Fantasy

(ーーれんこいうとおりもくてきのぼせきはこれだろうけど、なにもみえない。)

ーー蓮子言う通り目的の墓石はこれだろうけど、何も見えない。

(れんこはわたしをせかす。)

蓮子は私をせかす。

(わたしははかをいじってみたり、そとうばをぬいてみたりいろいろやってみた。)

私は墓を弄ってみたり、卒塔婆を抜いてみたり色々やってみた。

(れんこはそらをみながら、２じ２７ふん４１びょう、とつぶやいている。 きもちわるい。)

蓮子は空を見ながら、２時２７分４１秒、と呟いている。 気持ち悪い。

(けっきょく、はかあらしのまねをしているのはわたしだけか。)

結局、墓荒しの真似をしているのは私だけか。

(ぼせきはおもたくてまわすのがやっとなんだけど・・・・・・。)

墓石は重たくて回すのがやっとなんだけど……。

(「２じ３０ぷんじゃすと！」ぼせきを４ぶんの１かいてんさせたそのとき。)

「２時３０分ジャスト！」墓石を４分の１回転させたその時。

(あきだというのにいちめんさくらのせかいがひろがった。)

秋だというのに一面桜の世界が広がった。

(１１．げんそうのえいえんさい)

１１．幻想の永遠祭

(こうようももうおわろうとしていた。わがふりょうさーくるはまだほそぼそとつづいている。)

紅葉ももう終わろうとしていた。我が不良サークルはまだ細々と続いている。

(よるになるとそらをみてじかんをつぶやくくせのあるあいぼうは、わたしとのまちあわせにおくれていた)

夜になると空を見て時間を呟く癖のある相棒は、私との待ち合わせに遅れていた

(「おそくなってごめん！」 「２ふん１９びょうちこく。」)

「遅くなってごめん！」 「２分１９秒遅刻。」

(あいぼうはしゃしんをさしだし、いつものようにかたりはじめた。)

相棒は写真を差し出し、いつもの様に語り始めた。

(「そんなことよりめりー、 はくれいじんじゃにあるいりぐちをみにいかない？」)

「そんな事よりメリー、 　　　　博麗神社にある入り口を見に行かない？」