片羽

(とおいとおいむかしばなしそれはきっとあすのはなし)

とおいとおい むかしばなし それはきっと あすのはなし

(もうとべやしないさ)

"もう 飛べやしないさ"

(おちつづけるよるからさめたしろいへやのかたすみでさまよってるじゆうをなくして)

落ち続ける夜から醒めた 白い部屋の片隅で 彷徨ってる 自由をなくして

(ふさぐたおれこんだまま)

塞ぐ 倒れ込んだまま

(ああほそいかたよくがああないんださけんだこころがとまらなくて)

ああ 細い片翼が ああ ないんだ 叫んだ 心が止まらなくて

(きかいみたいにきしむぼくをげんじつがわらったそのときだれかがささやいたんだ)

機械みたいに きしむ僕を 現実が笑った その時 誰かが囁いたんだ

(あなたにあげたつばさわたしのゆめみたせかい)

「あなたに あげた つばさ」 「わたしの ゆめみた せかい」

(はばたきたいおおぞらへああかぜがなく)

羽ばたきたい 大空へ 嗚呼 風が啼く

(とまらないでたかくたかくへいくどゆめねがいいのったくものはて)

止まらないで 高く高くへ 幾度夢願い 祈った雲の果て

(おわりをこえてたかくたかくへとべるよかけがえのないがらくたのはねで)

終わりを越えて 高く高くへ (とべるよ) かけがえのない ガラクタの羽で

(ほしをみうしなった)

"星を見失った"

(まぎれすむにんげんのせかいまだあきらめられないのに)

紛れ住む 人間のセカイ (まだ あきらめられないのに)

(ひとつのはねじゃとべないもうとびたくない)

一つの羽じゃ飛べない もう飛びたくない

(しきさいのはんぶんだけでそこをはうこともできなかった)

色彩の 半分だけで 底を這うこともできなかった

(わたしにはもういらないのかわりにひかりはきみがみてよ)

「わたしには もう いらないの」 「かわりに ひかりは きみがみてよ」

(いらだつほどにあおかったえでんでないてた)

苛立つほどに青かった エデンで泣いてた

(そのときつかんでくれただれかのてああ)

その時 掴んでくれた 誰かの手 嗚呼

(あなたがくれたきぼうでやくそくのはねでいまとばなくちゃ)

あなたがくれた 希望で 約束の羽で今 飛ばなくちゃ

(ああともにいくああちへいのさきへこわれるまでたかくたかくへ)

ああ 共に往く ああ 地平の先へ 壊れるまで 高く高くへ

(いまのぼくはかたよくでいい)

今の僕は 片翼でいい

(とべるよしんじてとべるよそのさきへ)

飛べるよ 信じて 飛べるよ その先へ

(とべるよらくえんえいえんのかなたまでああ)

飛べるよ 楽園 永遠の 彼方まで ああ

(きっとふかんぜんでもああああ)

きっと不完全でも (ああ ああ)

(はるかかなたまで)

遥か 彼方まで