どうして…

(かげるひぐれに)

翳る日暮れに

(ふとむかうまなざしのさき)

ふと向う眼差しの先

(ことばをなくした)

言葉を失くした

(けしきのなかあなたはいて)

景色の中あなたは居て

(ひとははかなくもゆきのように)

人は儚くも雪のように

(きえゆくものならば)

消えゆくものならば

(このおもいさえも)

この思いさえも

(もろともにきえてしまえばいい)

諸共に消えてしまえばいい

(はるはたび。)

春は旅。

(あさにここをたつひのこと。)

朝に此処を発つ日のこと。

(なつのたび。)

夏の度。

(ふたりのよるをおもう。)

二人の夜を思う。

(あきのやみ。)

秋の闇。

(ゆうぐれよりくらく。)

夕暮より暗く。

(ふゆをよび。)

冬を呼び。

(しきはめぐり。)

四季はめぐり。

(さくらまう。)

桜舞う。

(はなやかなうたげのさいちゅう。)

華やかな宴の最中。

(ほしはふる。)

星は降る。

(あなたにふりそそぐ。)

あなたに降り注ぐ。

(つきがてる。)

月が照る。

(にひとのかげつくる。)

二人の影作る。

(ゆきつもる。)

雪積もる。

(めぐりめぐる。)

巡り巡る。

(それでもあなたはとおい・・・)

それでもあなたは遠い…

(ねぇ、どうして)

ねぇ、どうして

(あなたはわたしをみてくれないの)

あなたは私を見てくれないの

(あなたはだれをみているの)

あなたは誰を見ているの

(ねぇ、どうして)

ねぇ、どうして

(あなたをいつでもさがしているの)

あなたをいつでも探しているの

(あなたはいったいどこにいるの)

あなたはいったいどこにいるの

(ねぇ、だれか・・・)

ねぇ、誰か…

(おしえて・・・)

教えて…

(しきはうつろいかわれども)

四季は移ろい変われども

(かわらぬものひとつ)

変わらぬもの一つ

(いくとしもだきつづけたものごころのなかに)

幾年も抱き続けたもの心の中に

(いくどとよべどついぞ)

幾度と呼べど終ぞ

(とどかぬこのはかなきこえは)

届かぬこの儚き声は

(さながらよみびとしらずのうたのようにひびく)

宛ら詠み人知らずの歌のように響く

(まをふうじ。)

魔を封じ。

(あのひ、)

あの日、

(であいはとうとつに。)

出会いは唐突に。

(ゆめのとき。)

夢の時。

(ほんとうにゆめのよう。)

本当に夢のよう。

(げんそうは。)

幻想は。

(どこまでもつづく。)

どこまでも続く。

(かいきの。)

怪奇の。

(てにかかるようで。)

手にかかる様で。

(あかきうんめいは。)

紅き運命は。

(ふたりをさだめむのか。)

二人を定むのか。

(あやしゆめ。)

妖し夢。

(まぼろしをみせるか。)

幻を見せるか。

(えいきゅうのよる。)

永久の夜。

(どこまでつづくのか。)

何処まで続くのか。

(そしてはるはまためぐる。)

そして春はまた巡る。

(それでもあなたはとおい・・・)

それでもあなたは遠い…

(ねぇ、どうして)

ねぇ、どうして

(あなたはわたしをみてくれないの)

あなたは私を見てくれないの

(あなたはだれをみているの)

あなたは誰を見ているの

(ねぇ、どうして)

ねぇ、どうして

(あなたをいつでもさがしているの)

あなたをいつでも探しているの

(あなたはいったいどこにいるの)

あなたはいったいどこにいるの

(ねぇ、だれか・・・)

ねぇ、誰か…

(おしえて・・・)

教えて…