春愁

(「はやいものね」とこころがささやいた)

「早いものね」と心が囁いた

(いわれてみれば「うん、はやかった。」)

言われてみれば「うん、早かった。」

(またきのうとおなじきょうをすごした)

また昨日と同じ今日を過ごした

(そんなことばっかくりかえしてた)

そんなことばっか繰り返してた

(「あこがれ」「りそう」とたまにけんかをした)

「憧れ」「理想」とたまに喧嘩をした

(どうしてもなかよくなれなかった)

どうしても仲良くなれなかった

(あおさのかけらがいきかうが)

青さのカケラが行き交うが

(やっぱりつみとることはできなかった)

やっぱり摘み取ることは出来なかった

(だいきらいだ)

大嫌いだ

(ひとがだいきらいだ)

人が大嫌いだ

(ともだちもだいきらいだ)

友達も大嫌いだ

(ほんとうはだいすきだ)

本当は大好きだ

(あしたがはれるならそれでいいや)

明日が晴れるならそれでいいや

(あしたがくるのならそれでいいや)

明日が来るのならそれでいいや

(あなたがわらうならなんでもいいや)

あなたが笑うならなんでもいいや

(せかいはかわりゆくけどそれだけでいいや)

世界は変わりゆくけどそれだけでいいや

(「ありがたいね」とこころがささやいた)

「ありがたいね」と心が囁いた

(いわれずともちゃんとわかっていた)

言われずともちゃんと解っていた

(またきのうとおなじきょうもすごした)

また昨日と同じ今日も過ごした

(そんなことばっかりおもってた)

そんなことばっかり思ってた

(「なみだ」や「わらい」もすくなかったりした)

「涙」や「笑い」も少なかったりした

(じつはそんなこともなかった)

実はそんなこともなかった

(はるがいぶくさくらのはなもまいはせず)

春が息吹く桜の花も舞いはせず

(ただひにてらされていた)

ただ陽に照らされていた

(だいきらいだ)

大嫌いだ

(きょうがだいきらいだ)

今日が大嫌いだ

(きのうもだいきらいだ)

昨日も大嫌いだ

(あしたがだいすきだ)

明日が大好きだ

(いつかいつかみつけてくれるのなら)

いつかいつか見つけてくれるのなら

(いつかいつかたいせつにおもえるなら)

いつかいつか大切に思えるなら

(あなたがいきてさえいればなんでもいいや)

あなたが生きてさえいればなんでもいいや

(わたしがいきてるならそれでいいや)

わたしが生きてるならそれでいいや

(それでいいや)

それでいいや

(それがいいや)

それがいいや

(だいきらいだ)

大嫌いだ

(ひとがだいきらいだ)

人が大嫌いだ

(ともだちもだいきらいだ)

友達も大嫌いだ

(ほんとうはだいすきだ)

本当は大好きだ