トワツガイ

(「ゆきがしずかにふっていた。)

「雪が静かに降っていた。

(せかいからふたり、とりのこされたようだった」)

世界からふたり、取り残されたようだった」

(「つないだてだけが、あたたかくて、)

「つないだ手だけが、温かくて、

(うしないたくないとねがったのに」)

失いたくないと願ったのに」

(ねえこのこえがきこえるなら)

ねえこの声が聞こえるなら

(ないしょのはなしをしよう)

内緒の話をしよう

(かぞえきれないよろこびと)

数えきれない喜びと

(ぬぐえないいたみの)

拭えない痛みの

(かぜのおと　きみのこえ)

風の音　君の声

(こもれびに　うたたねを)

木漏れ日に　うたた寝を

(もうとりもどせないひびは)

もう取り戻せない日々は

(いまもこのむねでかがやいては　まどわせる)

今もこの胸で輝いては　惑わせる

(ながしたなみだも　ながれたちも)

流した涙も　流れた血も

(ときがすぎればきえるかな)

時が過ぎれば消えるかな

(ふたり　てをかさね　みみによせた)

ふたり　手を重ね　耳によせた

(ずっとかたりあったね　はてないゆめのはなしを)

ずっと語り合ったね　果てない夢の話を

(きみとふたりでとびたったひから)

君とふたりで飛び立った日から

(つばさはいまもともにある)

翼は今も共にある

(あのやくそくも)

あの約束も

(あさひをながめたふたりも)

朝日を眺めたふたりも

(ほしをみあげたふたりも)

星を見上げたふたりも

(ていえんがすべてかくしたの)

庭園が全て隠したの

(ふたりだけのひみつを)

ふたりだけの秘密を

(わたしたち　ぼくたちは)

私たち　ボクたちは

(もどれるかな　もどれるから)

戻れるかな　戻れるから

(かえりたいなつかしいひに)

帰りたい懐かしい日に

(きみがいればどこでもよかった)

君がいればどこでもよかった

(ふたりなら)

ふたりなら

(もううしなっても　みちにまよってもかまわない)

もう失っても　道に迷っても構わない

(すすむから)

進むから

(ふたり　こえ、かさね　つばさひろげ)

ふたり　声、重ね　翼広げ

(つがえたうんめいのやをねらい　ときはなつよ)

つがえた運命の矢を狙い　解き放つよ

(いのちささげてうばいうばわれて)

命献げて奪い奪われて

(いつかこわれてもわすれない)

いつか壊れても忘れない

(あのこもれびを)

あの木漏れ日を

(きみにはなしたゆめものがたり)

君に話した夢物語

(おぼえててくれるかな？)

覚えててくれるかな？

(わたしがわすれても)

私が忘れても

(しあわせなひびとひきかえにしても)

幸せな日々と引き換えにしても

(きみだけは　そう　まもるから)

君だけは　そう　守るから

(ふたり　てをかさね　くちびるにふれ)

ふたり　手を重ね　唇に触れ

(ちかいをかわしたね　おわらないじかんを)

誓いを交わしたね　終わらない時間を

(あのひのはなにたくしたおもいを)

あの日の花に託した想いを

(わすれてもいいよ)

忘れてもいいよ

(ぼくがわすれないから)

僕が忘れないから

(まためぐりあい)

また巡り合い

(こんどこそかなえてみせるよ)

今度こそ叶えてみせるよ