少女地獄

(なんでもないできごとにおびえて)

何んでも無い出来事に怯えて

(なりふりとりつくろうのでしょうか)

形振り取り繕うのでしょうか

(なににもかえがたいこのふあんで)

何にも変え難いこの不安で

(だれでもないじぶんをあつらえる)

誰でも無い自分を誂える

(あいきょうまじりのくちじゃみせん)

愛嬌混じりの口三味線

(たらんったったらんつまびいちゃって)

たらんったったらん爪弾いちゃって

(ふゆかいなめろでぃーとにひるにまみれたゆめをみる)

不愉快なメロディーと ニヒルに塗れた夢を見る

(みたされないこころのすきまをおしひろげてさ)

満たされない心の隙間を押し広げてさ

(いつわりのけしきもくるくるくるくるまわりはじめるし)

偽りの景色もくるくる くるくる回り始めるし

(ないたってわらったってとまることはないので)

泣いたって笑ったって止まることは無いので

(おをひくはきけがこころをかきみだす)

尾を引く吐き気が心を掻き乱す

(このあせたせかいなどいつかはいつかは)

この褪せた世界など何時かは何時かは

(こわれてしまえばいいのにな)

壊れてしまえばいいのにな

(けれどあくむならさめてもさめても)

けれど悪夢なら覚めても覚めても

(おわることなんてないのでしょう)

終わることなんて無いのでしょう

(れんびんくみしてはてないはてない)

憐憫与みして果てない果てない

(きょえいがぽつりとささやけば)

虚栄がぽつりと囁けば

(なにひとつとしてかわらぬかわらぬ)

何一つとして変わらぬ変わらぬ

(りんうにひとりなげいていますくらやみのなか)

霖雨に一人嘆いて居ます 暗闇の中

(おきにいりのじんくすしんじて)

お気に入りのジンクス信じて

(まいのりてぃにあふれみちみちた)

マイノリティに溢れ満ち満ちた

(じまえのぺしみずむをこえたからかに)

自前のペシミズムを声高らかに

(これからもいきていくのでしょうね)

これからも生きて行くのでしょうね

(つばきのかれどきとかにあこがれてみたりなんかしてさ)

椿の枯れ時とかに 憧れてみたりなんかしてさ

(はいからきどったたかげたを)

ハイカラ気取った高下駄を

(からんっかっからんひびかせちゃって)

からんっかっからん響かせちゃって

(べっこういろにそまったゆめのなかでもがく)

鼈甲色に染まった 夢の中で踠く

(かなしいときにはしくしくしくしく)

悲しい時には しくしく しくしく

(なみだとうれいにあけくれて)

涙と憂いに明け暮れて

(むなしいときにはふらふらふらふら)

空しい時には ふらふら ふらふら

(じぎゃくとらんだにみをまかす)

自虐と懶惰に身を任す

(さびしいときにはただただただただ)

寂しい時には ただただ ただただ

(きょうじとりそうにものおもい)

矜持と理想にもの思い

(そんなうつつにゆらゆらゆらゆらうしろのしょうめんだあれ)

そんな現に ゆらゆら ゆらゆら 後ろの正面誰

(あせたせかいならいつかはいつかは)

褪せた世界なら何時かは何時かは

(もとどおりにはなりませんか)

元通りにはなりませんか

(もしもあくむならさめてもさめても)

もしも悪夢なら覚めても覚めても

(おわりなんてないのだろうなぁ)

終わりなんて無いのだろうなぁ

(はばかりあたわずつきないつきない)

憚り能わず尽きない尽きない

(ぎまんがぽつりということには)

欺瞞がぽつりと言うことには

(なにひとつとしてこのままこのまま)

何一つとして此のまま此のまま

(にわかにひとりはにかんだとさ)

俄かに一人はにかんだとさ

(ほらほらわらってわらってる)

ほらほら笑って笑ってる

(くらやみのなかからもういちどもういちど)

暗闇の中から もう一度もう一度