夏目漱石「こころ」3-38
夏目漱石「こころ」3-38
下)先生と遺書
夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。
オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
4:好な道(すきなみち)
11:大観音(おおがんのん)
11:汚ない(きたない)
17:手頸(てくび)
夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。
オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
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4:好な道(すきなみち)
11:大観音(おおがんのん)
11:汚ない(きたない)
17:手頸(てくび)
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問題文
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(にじゅう)
二十
(「けいとわたくしはおなじかへにゅうがくしました。)
「Kと私は同じ科へ入学しました。
(けいはすましたかおをして、ようけからおくってくれるかねで、)
Kは澄ました顔をして、養家から送ってくれる金で、
(じぶんのすきなみちをあるきだしたのです。)
自分の好な道を歩き出したのです。
(しれはしないというあんしんと、しれたってかまうものかというどきょうとが、)
知れはしないという安心と、知れたって構うものかという度胸とが、
(ふたつながらけいのこころにあったものとみるよりほかしかたがありません。)
二つながらKの心にあったものと見るよりほか仕方がありません。
(けいはわたくしよりもへいきでした。)
Kは私よりも平気でした。
(さいしょのなつやすみにけいはくにへかえりませんでした。)
最初の夏休みにKは国へ帰りませんでした。
(こまごめのあるてらのひとまをかりてべんきょうするのだといっていました。)
駒込のある寺の一間を借りて勉強するのだと云っていました。
(わたくしがかえってきたのはくがつじょうじゅんでしたが、)
私が帰って来たのは九月上旬でしたが、
(かれははたしておおがんのんのすぐそばのきたないてらのなかにとじこもっていました。)
彼は果して大観音の傍の汚ない寺の中に閉じ籠っていました。
(かれのざしきはほんどうのすぐそばのせまいへやでしたが、)
彼の座敷は本堂のすぐ傍の狭い室でしたが、
(かれはそこで)
彼は其所で
(じぶんのおもうとおりにべんきょうができたのをよろこんでいるらしくみえました。)
自分の思う通りに勉強が出来たのを喜こんでいるらしく見えました。
(わたくしはそのときかれのせいかつのだんだんぼうさんらしくなっていくのを)
私はその時彼の生活の段々坊さんらしくなって行くのを
(みとめたようにおもいます。)
認めたように思います。
(かれはてくびにじゅずをかけていました。)
彼は手頸に珠数を懸けていました。
(わたくしがそれはなんのためだとたずねたら、)
私がそれは何のためだと尋ねたら、
(かれはおやゆびでひとつふたつとかんじょうするまねをしてみせました。)
彼は親指で一つ二つと勘定する真似をして見せました。
(かれはこうしてひになんべんもじゅずのわをかんじょうするらしかったのです。)
彼はこうして日に何遍も珠数の輪を勘定するらしかったのです。
など
(ただしそのいみはわたくしにはわかりません。)
ただしその意味は私には解りません。
(まるいわになっているものをひとつぶずつかぞえていけば、)
円い輪になっているものを一粒ずつ数えて行けば、
(どこまでかぞえていってもしゅうきょくはありません。)
何処まで数えて行っても終局はありません。
(けいはどんなところでどんなこころもちがして、つまぐるてをとめたでしょう。)
Kはどんな所でどんな心持がして、爪繰る手を留めたでしょう。
(つまらないことですが、わたくしはよくそれをおもうのです。)
つまらない事ですが、私はよくそれを思うのです。