新しい恋人達に

(ひかりがとじるように)

光が閉じるように

(あえないひとがまたふえても)

会えない人がまた増えても

(おとなになれなかった)

大人になれなかった

(それをだれにもいえないでいる)

それを誰にも言えないでいる

(すてきなものを)

素敵なものを

(だいじなものを)

大事なものを

(かかえきれないくらいに)

抱えきれないくらいに

(もらったのに)

もらったのに

(ゆびさきでくもをなぞって)

指先で雲をなぞって

(ぼくにはもうみえないものを)

僕にはもう見えないものを

(えがくきみに)

描く君に

(かけることばがあるとしても)

かける言葉があるとしても

(ぼくにはとてもさがせないだろう)

僕にはとても探せないだろう

(たのんだおぼえはなくても)

頼んだ覚えは無くても

(まもられてきたことはしってる)

守られてきた事は知ってる

(じぶんじゃできやしないけど)

自分じゃできやしないけど

(きみにはやさしくあれとねがいいのる)

君には優しくあれと願い祈る

(にあってなんかいなくて)

似合ってなんかいなくて

(なにもかもたりないのに)

何もかも足りないのに

(なげだしかたもわかんなくて)

投げ出し方もわかんなくて

(ここにいる)

ここにいる

(はりぼてにえがいたにじでも)

張りぼてに描いた虹でも

(てあかにまみれたばとんでも)

手垢にまみれたバトンでも

(なにかひとつ)

なにかひとつ

(わたせるものがみつけられたら)

渡せるものが見つけられたら

(すこしはむねをはれるだろうか)

少しは胸を張れるだろうか

(とじたえほんの)

閉じた絵本の

(おわりのぺーじで)

終わりのページで

(これはだれのじんせいだ)

これは誰の人生だ

(だれのじんせいだだれのじんせいだ)

誰の人生だ誰の人生だ

(だれのじんせいだだれのじんせいだ)

誰の人生だ誰の人生だ

(まっしろなきみのみらいを)

真っ白な君の未来を

(まっしろなまま)

真白なまま

(きみがいろをぬれるように)

君が色を塗れるように

(ゆびさきでくもをなぞって)

指先で雲をなぞって

(ぼくにはもうみえないものを)

僕にはもう見えないものを

(えがくきみに)

描く君に

(かけることばがあるとしても)

かける言葉があるとしても

(ぼくにはとてもさがせないだろう)

僕にはとても探せないだろう

(でもいつかきみがだれかを)

でもいつか君が誰かを

(どうにかしあわせにしたいと)

どうにか幸せにしたいと

(ねがうひに)

願う日に

(わらってうなずけたとしたら)

笑って頷けたとしたら

(それでもうじゅうぶん)

それでもうじゅうぶん

(じゃないかとおもう)

じゃないかと思う